見出し画像

ロケハン思ひ出横丁

ポスプロとしては、それほどロケハンとは縁がございませんが、何故だかどうしてもロケハンの記事を書きたい!
どうかお付き合いください。
私は今この記事を電車の中で書いています。
万年出不精にもぶっ刺さる秋の行楽日和、気持ちの良い空気。
なぜ今日はこんなにもロケハンのことを思うのか、手を止めて考えてみましたが、単純に久しぶりに遠出をしているからでしょう。



福田雄一監督がテレビで披露されていたエピソードで、「通天閣にロケハンに行く」と奥様に言ったら、「通天閣の形なんて誰でも知ってんだよ!!」と言われたくだりが大好きです。
笑い話ですが、それと共に、監督自らロケハンに行くなんて偉いなあと思ってしまいました。
もっとも今は、本番の効率化のためにロケハンの段階で技術、演出、進行まで割とかっちり固めていく傾向にあるのかも知れませんし、テレビと映画とでもまた違うのかも知れませんが。(現状に詳しくないのであしからず)

数十年前のロケハンといえば、下っ端(つまり当時の私)が独り“写ルンです”を片手に撮影予定地へ出向いたものです。ロケハンだけのために会社のビデオカメラは持ち出せなかったし、そもそも当時は外で何かを撮影するなんて行動は不審も不審!そんな人周りに1人もいないのですから。
コソコソと撮影を済ませて街のDPEへ現像に出し、半日待って取りに行き、
画角を決めたくても覗き穴はガイドでしかないので恐しく広角で取れた情緒の無い写真をあのカメラ屋さんで貰える薄いポケットアルバム(表紙が猫とか子犬がち)に並べてディレクターへ提出していました。

それでも上も慣れたもので、そんな写真からでも全てを汲み取ってくれました。パワポでこれでもかと注意書きを入れなくてもです。
撮影クルーはサクサクと三脚を立て、あっという間に薄っすい猫の表紙のポケットアルバムは、プロの手による映像作品へと変身を遂げたのでした。



iPhone12に機種変更した時、動画撮影のスペックにワクワクし、昔のロケハン作業時のモヤモヤを回収すべくカメラを回そうと思っていましたが、結局一度も自主的に動画を撮ることはありませんでした。
万能の器物を手に入れたはずなのに。
iPhone13は映画のような映像が撮れるそうですね。
iPhone13だったら撮っていたかな。うん。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?