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無題

元いた周波数帯に戻りたくなくて、何も持たずにそのまま車を海に走らせた。

特に行き先も決めずに行く先は、自ずといつも行く同じ海。途中で、ふと、友人がよく行くと言っていた人気のない砂浜の名前を思い出し、ナビの行き先をそこに変えてみる。

いつも行く海を横目で通りすぎ、そこから少し先のビーチに向かう。
連日続いた雨も今は小康状態。

辿り着いたその先は入り組んだ漁港の向かい側にあった。空からはブルーインパルスの雲を通り過ぎて行く音と搬送訓練をしている自衛隊ヘリのホバリングの音。意味もなく、倒木を小高い丘から吊り上げてはどこかへ運んでを繰り返しているように見える。

砂浜に降りようと思ってビーチサンダルに履き替え、防波堤から海を眺めていたら、ちょうど12時で次から次へと近くにいた工事作業車が休憩に押し寄せてきた。そして、空からは大粒の雨。

あーあ、またタイミングを逃しちゃったな。

またタイミングを逃しちゃったな。

そう、またタイミングを逃しちゃったな。。。

そうね、私は、今、行き詰まっているんだ。
まずはそのことを認めよう。

何に?
もはや、よくわらない。

色んな情報の渦に呑み込まれ、右往左往しながら、うまくやれるはずの術も技も持ち合わせているはずなのに、うまく使えない。いや、使おうとしていない、の方が正しいかも知れない。

様々なコミュニティに顔を突っ込み、人脈を広げ、素晴らしい仲間が出来た。その中で、私自身たくさん学び、視野を広げ、ありとあらゆる選択肢が自分の目の前に広がっていることを知っている。

それと同時に私はまだ、この世界のほとんどを知らないことを知っている。

ほんと、修行僧のようなこの魂が嫌になる。
もう、何度も、今世での修行はやめたいと思った。だって、私は本来、ただ、歌って、踊って、まだ見ぬ景色をみんなと分かち合って、この地球を遊ぶために来たのに。

けど、その一方で気に入ってるんだ。
この飽くなき探究心とどこまでも自分を知りたいと思う好奇心を。

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