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長年O脚に懊悩してきた私のワイドシルエットに逃げないデニム選び

冒頭から告白するが、私はO脚である。
下の写真は力を入れず自然に大地を踏んだ様子だが、ひざの間はかるく指4本分空いてしまう。

O脚との格闘史を書くと長くなるので詳しくは割愛するが、内転筋を鍛えたり骨盤矯正や整体に30万以上つぎ込むもあえなく敗北。ダイエットがライフワークという人も多いだろうが、私の半生はO脚との闘いだった。


サブリナパンツによる強制開眼

小学4年生の時。レトロなフレンチガールに憧れていた私は、母にねだってギンガムチェックのサブリナパンツを買ってもらった。
わくわくしながら足を通すと・・

脳内想像図
(引用元:broke-but-aesthetic.tumblr.com)

現実着用図

なぜか派手なモモヒキを履いた私がガニ股でこちらを見つめている。
サブリナもシワを寄せていかにも不満気だ。
現実を受け入れられず内ももに力を入れたりポーズを変えてみても、脚の奥に見える景色は楕円にのぞいたまま・・。
私はなんとも野暮ったい自分の体を見つめ、ただ脱力するしかなかった。

この日をきっかけにO脚を自覚。以来7部丈のピタパンを履いたことは一度もない。奇しくもファッションに興味を持ち始めたと同時期に強烈なコンプレックスが芽生えた。

あれから四半世紀以上経ったがO脚は改善していない。そして好きな服を堂々と着たいという気持ちもぜんぜん消えていない。

しょうがないので鏡に映る姿に落胆してはなんとか工夫する、を繰り返して折り合いをつけてきた。脚をまっすぐに「直す」ことを半分諦めてからは、まっすぐに「見せる」ことでひとまず手打ちにしている。

O脚でもそれなりにまっすぐ「見える」デニム

ワイドパンツや大きめサイズでビッグシルエットを作り、脚を覆い隠すのもひとつの方法だと思う。でもそれはそんなに難しくないので、この記事ではあえて脚の輪郭が出るスタンダードなデニムに的を絞ります。

フィット感のあるデニムは合わせ方次第でカジュアルにもモードにも振れるので万能なのだが、O脚民にとっては難度が高いのもまた事実。
5回も履くとフォルムが崩れてきて、そのうち吊るしの状態でも”O”の形に変貌している(悲)これで何本葬ってきたことか・・

O脚の私が求めるのは素の状態よりはまっすぐ見えること、そして長く履いてもシルエットが崩れにくいこと。この条件を満たすデニムを探し求め、内側に強固な直線シルエットを作ってくれるデニムに行き着いた。

具体的にどんなデニムなのか、どう選べばいいのか、形、生地、丈の3つに分けてご紹介したい。

デニム選びのポイント1 : 形

理由は後述するが、
スリムフィットのストレートデニムがベストだと思っている。

ヒトの脚にはひざからふくらはぎにかけてえぐれたような湾曲がある。
どんな人にもあるのだが、O脚の人は湾曲の幅と角度が大きい。結果としてひざとふくらはぎを結んだ直線の内側にある半円の空間が広くなり、両足揃うとOの形に見えてしまう。

ならば半円の空白地帯に青のカーテンをかけて、ここまで脚があるように見せてしまおう!という作戦だ。それに最適なのがスリムフィットのストレートデニムというわけ。

じゃあ具体的にどんなスリムフィット具合のものがいいのか。
私は以下を目安に選んでいる。

・ひざの内側とふくらはぎの内側に生地があたっている
  【効果】隠したいO脚の始点と終点を固定
・ひざからふくらはぎの間は肌に触れず生地が垂直に落ちる
  【効果】半円の空間に肉付け
・太もも周りはちょっとキツく感じる
  【効果】経年変化に対応

ここが直線シルエットの基盤になるので、サイズ選びは超重要。
スキニーのように細すぎると空間を潰して湾曲を拾ってしまうし、逆にゆとりがありすぎても下のように”O”が浮き出てくるので注意が必要だ。

左がスリムフィットのストレートデニム、右がゆとりのあるレギュラーデニム

次点ではテーパードもあり。裾に向かって細くなっていく加減が違うだけなのでシルエット自体はストレートと似ている。腰幅が広めの方はテーパードの方がしっくりくるかもしれない。

内側が直線だとまっすぐに見えるらしい

とにかく内側をまっすぐ見せたいのはわかったけど、なんでそれが大事なの?ということについても説明したい。
下にある脚のイラストを見比べて欲しい。この中でどれが一番まっすぐに(近く)見えるでしょうか?(※曲線の曲率はすべて同じ)

外も内も曲がっている1はないとして、注目は2と3。
脚の内側と外側のラインがテレコに直線or曲線になっているのだが、3の方がまっすぐに見えませんか??
というわけで、私は外よりも内の湾曲補正に注力した方が効率よくまっすぐ「見せ」られるんじゃないかと思っている。

デニム選びのポイント2 : 生地

ノンストレッチで直線シルエットを強固に

直立した状態で綺麗に見えても、動いている時に崩れたら意味がない。
そこで支えになるのがストレッチの効いていない硬い生地。いい意味でちょっとごわついた厚みのあるものだとなお良し。

履いていくにつれて膝にぽこっとカタがついちゃった経験、ないでしょうか?綿100%でも多少は伸びるがストレッチデニムは比にならない。湾曲まで立体形状記憶してくれちゃって、瞬く間にO脚強化デニムと化す。

ということで私はおろしたての履き心地は捨てた。
最初はかたくて座るのもひと苦労。正座なんてもってのほか!そのくらいでいい。家で履き慣らして3時間→5時間→半日と、徐々に活動限界を伸ばしていく。いい頃合いに馴染むまでは少々時間がかかるが、その間私は家でスタイリングを楽しみながら実戦の日を夢想している。

革靴と一緒で最初は我慢が必要だが、デニムは血が出たりはしないので安心して欲しい。お気に入りの8年物デニムは今も堅牢に直線シルエットを保ってくれている。初めは1時間も履いていられなかったが、今では丸1日履いても筋肉痛にならないし不快感もない。

デニム選びのポイント3 : 丈

内側の直線シルエットを作る最後の砦、丈感。
形と生地選びは◎でも、丈を間違えると台無しになってしまう。そのくらい重要な要素なので、私はデニムを買ったら自分で裾を切っている。

下の写真を見て欲しい。
同じデニムを履いて、条件による影響をなるべく排除するため靴の有り無し2パターンで撮ったのだが、何か違和感ありませんか?

両方とも右脚(※写真向かって左)の方がより曲がって見える。これはわざと曲げたのでも加工したのでもなくて、左脚の裾を約3cm切っただけ。

裾は足の甲に当てない

これほど違いが出る理由は、足の甲に当たってできる足首のたわみにある。
脚がまっすぐなら折りシワが水平になるが、O脚だと斜めにシワが入り、膨らみが内側に侵食してくるせいでより湾曲が強く見えてしまうのだ。
なので私は足の甲に当たらない長さに調整している。

切る時は靴を何足か履いてあたりを付け、一旦バサッといく。あとは切りすぎて足が短く見えないようギリギリを狙って少しずつカット。
私はハイカットと合わせたいので、内くるぶしと同じくらいの高さが好み。

外側を短めに切ってさらに追い打ち

裾の切り方にもちょっとしたこだわりがある。
それはデニムの外側をほんのちょっとだけ短めに切ること。微妙な差だが、内側の重心が強くなり直線シルエットに安定感が出る。

セルフ裾上げの完成がこちら。
ひざの隙間はあるが内側に直線シルエットを作ったおかげで、デフォ脚、裾上げ前と比べるとO脚感はだいぶ緩和された。

さいごに

服好きでO脚も気になる私がどうにかこうにかデニムを履いてるお話でした。全部を覆い隠す以外にも方法があることが伝わったら嬉しいです。
完璧にまっすぐ見せる銀の弾丸ではないですが、私が運命にあらがっているうちに見つけた比較的再現性のあるものをご紹介しました。

同じ悩みを持つ方のおしゃ熱にちょっとでも火をつけられたら嬉しいです。

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