さよなら代行 「私、風俗あがります」

【あらすじ】
主人公の風俗嬢みるくは、店のNo.1。明るくキャピキャピとした甘えん坊キャラで、いつも大人気だ。予約は指名客でほとんど埋まってしまうが、たまにつく新規客も皆、みるくの接客に、一瞬で虜になる。
みるくは業界歴が長かった。少しやって、こんな業界あがってやろうと思っていたのだが、なかなか上がれず、ずるずると続けていたのだ。まわりには、No1になれずとも、業界から足を洗って幸せな結婚をしている友人もいた。
そんな友人らを、羨ましいと少し思っていた。
みるくの現在は、No1のためお金もばっちり入り、そこまでいやな客もいない。そんなわけで、みるくは毎日を順風満帆に過ごしていた。ところがそんなある日、みるくの常連客がインフルエンザになってしまった。ぽっかり空いたロングの予約枠に、新規にフリー客が入ることに。そしてみるくは、その客に一目惚れしてしまう。
初対面では爽やかで素敵な男性だったが、仲良くなると次第に本性を現した。とんでもないモラハラ男だったのである。
客は、風俗嬢や夜の仕事を軽蔑し、否定する。みるくを否定し続け、みるくは、これまでのみるくより幸が薄くなっていく。客により、みるくの洗脳が完了したのだ。みるくは店をやめた。起きたら夕方なので、昼の仕事の面接もバックレてばかり、そんな自分を嫌悪して、泣く日々。客はみるくに優しい言葉をかける。そしてドッグフードを渡す。みるくは犬として、ドッグフードを食べ、犬として暮らすことになる。
業界をあがったことは、幸せだったのか
みるくは自分は幸せだと自分自身に言い聞かせ、ドッグフードを貪り食うのだった。

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