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素直でシンプルな、神秘

黄金繭の全頭が無事に上蔟して、各々の繭を紡いでいる。 5令になろうとする蚕が我が家にやってきて約10日。 ひたすらご飯を食べては排泄して、時には餌の上で食い倒れるように眠っては脱皮を繰り返す。 「なんて素直な生きものなんだろうね」と言い合いながら観察していた蚕も、糸を吐き出す前はものを食べなくなり、いっとき静かになる。 繭を紡ぐ部屋となる「まぶし」に自分の場所を定め、余分な体液を排泄すると、自らの銀河を描くように糸を吐き始めた。 そうしてうっすらとあの繭の形が浮かび

    • 『 物語を纏うような衣 』

      6月26日 あきる野市にある「真木テキスタイルスタジオ」さんを初めて訪ねた。 西表島の石垣昭子さん、葉山の真砂三千代さん、そしてこちらのスタジオを主宰される真木千秋さんの御三方が共に作られる「真南風(マーパイ)」の衣にじかに触れたくて。 5月から始めた舞の稽古で、師がこちらの展示会を紹介してくださってはいたのだけど、 6月に入り、魂からの思いもよらぬ呼びかけで「お蚕さん」を手渡され、 にわかに生絹や染織への扉が開いてしまってから、 自分でも情報を集める中で、ふたたびこの展

      • 崩れ落ちたあとに立ち現れた神髄

        一年半ほど前、それまでやってきたことがわたしの中で一気に終わっていった。 好きだと思っていたことにも、もはや喜びを感じられなくなっていた。 なにかが違ってしまってた。 かつて、ある疾患による長年の激痛や不調があり、そのためにやりたいことも思うに任せず、悶々と過ごした日々も、様々なワークを通して長い時間をかけて徐々に治癒していき、ようやく気患うことなく動けるとなった時、それまでのブレーキが一気に外れた。 「これ以上、身体の不調を含めた様々な事情を言い訳にしては、自分を生きな

        • 「大海こそ、わたしが泳ぐにふさわしい」

          あぁ今日はこの音を聞くために独り音楽もかけずに起きてたんだ。 さっき、なにかがカチッとスイッチした。 同時に「大人卒業」ってフレーズがやってきた。笑 わたしのプロフィール写真をめくっていくと(FBで)何年も前の方にイルカが出てくるんだけど。 唐突にイルカに還る道の前に出てた・・そんな感じ。すっかり忘れてた場所。 人間の大人、どっぷりやった。 透明な水槽のなかで、窮屈で仕方なかったのに・・いつしか窮屈に感じてることも忘れて当たり前になってた水族館のイルカ。 ふと横

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