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喫茶店巡り #2

以前、足を運んだことがある岩手県北上市にあるふたつのレトロな喫茶店について、少し残しておきたいと思う。訪れたのは2019年10月。

ハーフタイム

静かで穏やかな空気が流れる純喫茶だった。積み重ねられた煉瓦がパーテーションになっていたり、照明のデザインがとてもレトロで可愛い。

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友人はフルーツパフェ、わたしはチョコレートパフェを頼んだ。特別な感じは全くない。パフェと言われて思い浮かべるイメージそのもの。でも、むしろそれが良くて、甘ったるいチョコレートソースがかかったパフェをしっかりと味わった。

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お会計のときに、お店の人が「ハーフタイム」の由来についてお話してくれた。どうやらラグビーから来ているらしい。言われてみれば、お店にラグビーに関するものが置かれていることに気付く。喫茶店の名前はそのお店の印象を決める大切なもの。どんな思いが込められているかを知ることができると、もっとそのお店が好きになる。

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珈琲専門店レオン

お店の外観も古く、営業しているか少し不安になった。ふとお店の灯りがともっていることに気付き、ほっとしながら喫茶店に足を踏み入れた。お客さんはわたしたちだけだった。店主さんらしき方は見るからにご高齢で、改めてこの喫茶店の歴史を感じた瞬間だった。

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店内は古さを残しつつ、でもそれが良い味を出していた。壁に備え付けられている棚や大きな窓がとても素敵だなと思った。この日は少し曇っていたけれど、晴れの日に窓際の席で飲むコーヒーはきっとすごく美味しいだろうなと思った。照明は切り絵みたいで、なんとなく木や緑を彷彿とさせる。すごく可愛い。

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わたしたちが座った席は出窓が近くにあり、人の置物やお花などが飾られていた。洗練された店内を眺めながら、あたたかい紅茶を飲み、お喋りに花を咲かせた。次は晴れた日に大きな窓の席に座ってコーヒーを飲みたいな、なんてぼんやり思いながらお店を後にした。

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しかし、それはもう叶わない。一緒に行った友人から聞いた話だと、わたしたちが訪れてすぐに閉店し建物も解体され、今ではすっかり平地になっているらしい。古い喫茶店にとって、「いつか」という言葉は意味を持たないということを知った。もちろん、それは古い喫茶店だけでなく、新しいカフェだって、人との繋がりだって同じだけど。

その一瞬一瞬を大切にすること、形あるものはいつか無くなること、頭では分かってはいるけれど忘れがちな毎日だ。古くて素敵な喫茶店に足を運ぶ度に、それを思い出し、少し苦い気持ちになる。次なんて、もうないかもしれない。でもその苦い感情も含めて、訪れたその喫茶店の良さをしっかり、そして丁寧に、味わいたいと思った。

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岩手で写真を撮ったり、喫茶店巡りをしています。自分のそのとき感じたことや物語、言葉を残すための自由帳

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