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【雑談】まどかとさちや

仕事の出先で、図書館に寄ったある日の昼のこと。
ランドセルをそこらへんに置いて、小学生たちがゲーム機で遊んでいる。
はるか昔を思い出した。

サク来は小学4年生まで携帯ゲームを買ってもらえず、クリスマスプレゼントの茶色のDSLLが届いた時は、両親が神様のように見えた。
逆に小学校3年までは友達が遊んでいる様子を除くか、Wiiのスマブラに混ぜてもらうかだった。
どうしてもその輪に入りたかったから、持ってもいないゲームの攻略書を買って、みんなが手詰まった時にスッと差し出して、少しチヤホヤされる。
あの頃、しわくちゃになるまでみんなで読んだポケモンレンジャーの攻略本は、今でも家にある。

ない。

本棚をいくら探せど、見つからない。
いつ処分したのか、少し残念な気持ちになった。
本棚には塾で使っていた国語のテキストが出てきた。
解答欄にはサク来の字が、問題文には解説した跡だと思われる先生のマーカーのあれこれがあった。
多分、高校受験の対策問題のやつだが、正答率は70%ぐらいだった。
一体これはいつ頃解いたのだろうか。
どうしても時期は思い出せなかった。

国語のテキストと一緒に出てきた、冬季合宿の虎の巻とか要単語確認シートとか全部をビニール紐で縛り、古紙回収へ出す。

公民館で高校時代の友人のお母さんとばったりあった。
彼は今年の春、関西の国立の大学院へ進学したと聞いている。
知っている友人の中で一番聡明な人間だったと記憶している。
最後に会ったのは、ちょうど最初の緊急事態宣言前に行われた最後のクラス会。
あの時は「コロナが落ち着いたら卒業旅行に行こうぜ」なんて言った気がするが、気づいたら4年も会っていない。
お母さん曰く、彼は今でも元気にしているそうだが、放課後に野球の話で盛り上がっていた二人がこんなに会っていなかったことは知らなかったそうで、びっくりした様子だった。

LINEの会話では、昨年の誕生日にギフトを贈っていたのが最後だった。
その時期のサク来は卒論完成間際で、1日が光のように早くすぎていった。
同じゼミのメンバーは10人中2人が卒業単位が足らず、彼らと一緒に教授の元へ出向き、門前払いされて、約束のギャラ飲みへ向かう。
サク来は当たり前のように終電を逃し、彼の家に居座り続ける。
3時4時ごろ、ソファに横になって、彼の1限まで寝る。
私はなんてひどい人間なのだろう。
ちなみに現在、彼は秋までの卒業を目指している。

そして私は社会人として今を生きている。

些細なことが自分の中で連鎖していく。
それはきっかけの大小関わらず、展開し、きっかけを作る。

LINEの返信には、お盆ごろに帰ってくるとのこと。
有休はこの日にしておこうと思った日曜日。
自室から送信。

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