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ニッチェルのアルバイト探しと義理人情。

先日、ネパール人スタッフニッチェルの近況についての記事を書きました。アルバイト探しとニッチェルや私の成長についての話です。手探りでお互いに成長を信じ、日々を過ごしています。


ニッチェルはこれからの生活や大学への進学の事で多くの悩みを抱えています。何度もお伝えしますが経済的にもとても厳しい現状であることには変わりはありません。進捗でいうと、中々アルバイトが見つからず途方にくれていましたがなんとか働かせてもらえる場がありました。先週から店長の母方の実家(老舗の和菓子屋)で働かせてもらえるようになって、一歩前進。今後のことで不安は残りますが、以前の明るさが少しずつ戻ってきたように感じます。

世界中が大変な状況になっていて、SALAもお店としてやらなくてはいけないことがたくさんありますが、SALAの長男、ニッチェルの今後のことももちろん大切で気がかりなので、日曜日の営業後、近くの喫茶店でこんな話をしてきました。改めて今の現状と気持ちの整理です。

バイト探しを始めようと思ったのはどうして?どんなバイトをしようと思ったの?

これから自分が大学生になって、生活費や学費を自分で貯めないといけないというのが一番大きい理由です。どんな仕事をするかというよりも、4月からはたくさん勉強をしたいですし、新しい仲間や今まで自分がいたコミュニティで過ごす時間も大切にしたいので、短い時間でたくさんのお給料がもらえる仕事を探しました。介護施設や工場、パチンコ屋、ドラッグストアにコンビニ、たくさんの会社の面接を受けました。

面接ってどんなことを聞かれるの?バイト探しで大変だったことはある?

特別なことは聞かれなくて、1週間で何時間働けるか、今までどんな仕事をしてきたことがあるのか等を聞かれました。中には、労働契約書にサインしたり、お給料を振り込む銀行口座の通帳を持ってきてと言ってもらえたのに、シフトの希望が合わなかったり、新型コロナウイルスの影響ですぐには働くことができないといった理由で、直前で不合格になる事もありました。
自分の経験や能力が足りないなら、今の自分でも働ける所を探してもっと力をつけてからもう1回チャレンジをしてみようと思いますし、世の中が大変で人を雇うことができない状況なら、少し時間を空けてから探し直してみようかなとも思えますが、不合格になった理由が自分のせいなのか世の中の流れなのかがはっきりと分からないのが辛かったです。
この3年間でお店からもお客さんからもたくさんのことを学ばせてもらったので、自分はSALAで頑張ってきたという自信がありました。面接でも「SALAで3年間働いてレジも打てるし、丁寧に接客もできるようになった」と胸を張っていってきました。それでも全然バイトに受かることができなくて、どうしたら良いか分からなくなってしまったのが大変なことでした。

和菓子屋さんで働いたきっかけは何だったの?

仕事を探していることは尚子さん(店長)やSALAのPAPAに言っていましたが、まさか和菓子屋さんを紹介してもらえるとは思っていませんでした。ある日、SALAのPAPAから「このままバイトが決まらず家にいても仕方がないそ何も生まれないから、実家の和菓子屋で働いてみないか?頭下げる」と言ってもらって、一緒に面接にいき、働くことになりました。

和菓子屋さんでの仕事はどう?

正直、初めて行った時は怖いイメージがありました。和菓子=日本の伝統というイメージだったので、完璧な仕事を求められている気がしてプレッシャーを感じていました。
でも、お菓子の箱詰めを最初に教えてもらって、単純作業の中にもその規則性を見つけたり、より効率的に仕事をするにはどうしたらいいかを考えることはとても楽しく、勉強になりました。そのスタッフさんたちが何十年もの経験で培ってきたルールや効率性はすごいもので、一つ一つのことに意味があるんだと感動する毎日でした。箱の向き、バットの並べ方、一緒に作業する方への箱の渡し方。全てです。
皆さんが優しい言葉で丁寧に教えてくれるので、怖いイメージもなくなりました。今では自分ひとりでできることも周りからお願いされることも増えてきて社員さんなどから「ニッチェルがいてくれると助かるなー」と言ってもらえることがとても嬉しいです。こんな自分も役に立てている。

今回のバイト探しや和菓子屋さんでの仕事を通して感じたことは何?

バイトに落ちる度にショックを感じていたし自分を否定されているようで辛かったけれど、この辛い気持ちに比べたらこの先起こる良くないことも乗り越えられるかもと思えるようになりました。結果は不合格だったとしても、たくさんの面接を受けたことは自分の良い経験になったと思います。
自分は能力や経験が足りないかもしれないけど、素直な気持ちを持っています。どんなことでも真面目に頑張りますし、毎日何かを学ぼうとひとつひとつのことを考えながら働いています。バイトの面接を受けている時は、なぜそれがうまく伝わらないのかと悔しい思いばかりでした。少しの時間でも、見た目や言葉だけじゃなくて実際に働かしてくれて、試してくれたら認めてもらえる自信があるのに。和菓子屋さんやSALAで働いている時、周りの人はそれを見てくれていて、必ず自分に返ってくるものがあるので、世の中悪い事ばかりではないなと思えました。

これからニッチェルはどうやって過ごしていきたいの?

大学の講義がまだ始まっていないので、今はたくさん働くことができていますが、4月からはそうもいきません。和菓子屋さんの仕事も3月いっぱいで終わりです。どんな仕事でも真面目に頑張る自信はありますが、勉強する時間はもちろん必要ですし、家族や友達、自分の周りにいる人たちを大切にする時間も欲しいです。高校生活は友達との時間もほとんど取れなくてコミュニティを広げることができませんでした。大学生になったらたくさんの人と関わりながらコミュニティを広げていきたいという気持ちも強いです。週3~4日、学校が終わった平日や休日に働きたいと思っています。
それと、今回のバイト探しを通して、SALAのPAPAに「『義理人情』を大切にするんや」と言われました。ちゃんと分かっていないけど、自分のために動いてくれている人が沢山いて、その人たちへの思いやりを大切にしなきゃいけないという意味だと今は思っています。これからの人生で、本当の『義理人情』の意味を見つけたいです。

短い時間でしたが、ニッチェルの思いやこれからの考えを沢山聞くことが出来ました。

『義理人情』みなさんならどう、説明しますか?

説明がとてもむずかしい。私自身もこの義理人情の意味は生活する中でたくさんの人と出会いながら感じとっていくものであり、人それぞれの捉え方があると思っています。

ニッチェルはこれからの生活の中で、この「義理人情」の意味を人の背中から学んだり、感じ取りながら大人になっていくのだと思います。それがニッチェルのこれから大切にしたい「コミュニティ」だと思います。そこには時間も必要です。

本人も言っているとおり、経験や能力がまだ足りていない部分もあると思います。でも、ニッチェルが本当に純粋で真面目で頑張り屋さんなことも、私が一番よく分かっているつもりです。ニッチェルならどこに行っても絶対に大丈夫。そのためのサポートも、出来る限りしていきますし、SALAを応援してくださる皆様のお力を貸していただくこともあるかもしれません。ニッチェルの明るく大きい未来のために、できることは何だろうかと最近いつも考えています。一緒に笑うことも、怒ることも、悔しく思うことも、ニッチェルの表情を思い出して涙することも。気持ちは同じです。本当に、困った長男だ。

喫茶店での話を終えてそろそろ帰ろうかという時に、他のテーブルのお客さんの「すみません」という声に、店員さんの誰よりも先に反応していたニッチェルを見て、ちょこっと誇らしい気持ちになって帰路に着きました。

記事を読んでくださり、こんな仕事があるよ!などとご紹介してくださる方がいらっしゃれば是非、こちらのコメントや直接のメッセージ、店舗で声をかけていただければとても嬉しいです。

もちろん引き続きSALAでも働くのですが、3月に関しては16時半以降の仕事、4月からに関しては授業の兼ね合いもあるのですが記事で述べていたような夜や朝の仕事。もしもあれば是非お声がけください。



最後まで読んでくださりありがとうございます。サポートは全てSALAの事業発展、スタッフのサポートの為に使用させていただきます。ぜひ、応援よろしくお願い致します!