英検1級・TOEIC満点の先?! ニュース英語リスニング、どのくらい聞き取れるか検証してみた
🦁この記事を書くまでの経緯
先日、以下のYuTube動画で、「ぶっちゃけどのくらいアメリカのニュース英語が聞き取れるか」について話しました。
ここでも話したのですが、自分がメインで聞いてるアメリカのおすすめニュースポッドキャストは、
ABC Word News with David Muir
NBC Nightly News
PBS NewsHour
の3つです。
YouTubeの動画内で、無謀にもこの3つのニュースなら
たぶん9割は聞き取れる
と言ってしまいました。
しかし、その後、自分で「本当に9割聞き取れているのか?」「サバよんでないか」がとても気になってしまったので笑、この機会に実際にどのくらい聞けているかを詳しく検証してみようと思います。
今回は、
〇〇 words 中、〇〇 words 聞き取れなかった
という形で、可視化できるようにしっかりと数字で表します。
今回の記事は無料記事です。
🦁この記事を書いているサラのプロフィール
コロンビア大学大学院 修士課程修了(優秀奨学生賞受賞)
ETS (Educational Testing Service) 米国本社で問題作成者として勤務。フルタイムインターン。
IELTS Speaking 8.5
英検®1級
英語発音テストEPT®100点(満点)
国際発音協会認定 英語発音指導士
世界1周しながら海外大学院受験を並行、海外留学経験無しで世界大学ランキング20位以内の海外大学院3校に出願、全てに合格。
大学院進学前はバックパッカーとして世界を周り、世界1周を達成。
英語ジムらいおんとひよこ代表
ツイッターは以下のアカウントでやっています↓
このプロフィールにあるように、大学院留学が初留学で、アメリカのニュースを聞き始めたのはアメリカに行って1年ほどしてからです。少しニュースデビューは遅い?僕ですが、どのくらい聞けているかを見ていきましょう。
🦁検証方法説明①
まずはどのニュースソースを使用するかについてお話します。
先ほど述べたように、僕がメインで聞いているのは ABC Word News, NBC Nightly News, PBS NewsHour の3つのポッドキャストで、この3つのポッドキャストで、何ワード中何ワード聞き取れなかったかを数値化したかったのですが、スクリプトをゲットし、総ワード数を表示させないと数値化できない関係で、結局以下の3つのニュースを使用することにしました。
使用ニュース1. PBS NewsHour
PBS は個人的に超おすすめのニュースです。アメリカ国内のことが中心ではあるのですが、他のニュース番組と比べると国際ニュースを扱うことも多く、バランスがいいです。PBSはニューズサマリーという「浅く広く」のパートがあり、こちらはほぼABCとNBCと同レベルですが、それ以外は、毎回外部の専門家・教授・New York Timesなどの記者などを呼んだりして、一つのことについて10分程度インタビューしたり報道したりするニュースで、このパートは内容によってはかなり「深く」入り込むため、語彙レベルが上がり、より深い背景知識も必要になる場合もあります。
ちなみに、PBSの平日版は1エピソード50分程度で週末版は20分程度です。
使用ニュース2. CNN 10
CNN 10は約10分のニュースです。ポッドキャストでも全エピソード動画になっており、映像も楽しめます。global audience に向けた global news という趣旨らしいですが実際は米国内のニュースが多めです。今回の検証では映像ではなく、音声のみでどれだけ聞き取れるかを実験しています。
使用ニュース3. Anderson Cooper 360
難易度はめちゃくちゃ高いです。Anderson CooperというCNNの看板アンカーがニュースをかなり掘り下げて話します。Anderson Cooperは言いよどみも相当多いのですが、かなり早口で気を抜くとすぐに置いていかれます。1エピソード50分弱程度が多いです。
🦁検証方法説明②
今回は、以下の4つのルールで検証してみます。
1. 4回までは巻き戻ししてもOK
3〜4回巻き戻しても聞き取れなかったものはかなりの確率くらいでそれ以上巻き戻しても聞き取れないことが個人的に多いです。
2. 速度調整は禁止
3. ノンネイティブスピーカーの英語はアクセントが強い場合ほどほどにカウント。ただしスクリプトを見返して、ノンネイティブの英語でも「これは聞き取れるべきだった」と感じたものは聞き取れなかった語としてマイナスでカウント
4. 人名・地名などの固有名詞はマニアックな場合は分からなくてもノンカウント、ただし、ある程度主要な固有名詞は聞き取れないとマイナスでカウント
🦁ニュース英語どのくらい聞けるか:結果
2019年8月末〜9月中旬にかけてのアメリカのニュースポッドキャスト11エピソードで検証しました。聞いた順に結果を示します。
*「総語数」と「分からなかった単語の語数」をどのように算出したかは別の note 記事に書く予定です。
[ 実験1 ] 8月下旬某日
音源:PBS NewsHour 約25分
総語数:約4300 words中
巻き戻してもどうしても分からない語数:15 words
↓
理論的な聞き取れてる率:99%
[ 実験2 ] 8月下旬某日
音源:PBS NewsHour 約20分
総語数:約3300 words
巻き戻してもどうしても分からない語数:13 words
↓
理論的な聞き取れてる率:99%
[ 実験3 ] 9月初旬某日
音源:CNN 10 約10分
総語数:約1500 words
巻き戻してもどうしても分からない語数:35 words
↓
理論的な聞き取れてる率:97%
[ 実験4 ] 9月初旬某日
音源:Anderson Cooper 360 約50分
総語数:約7000 words
巻き戻してもどうしても分からない語数:30 words
↓
理論的な聞き取れてる率:99%
[ 実験5 ] 9月初旬某日
音源:Anderson Cooper 360 約40分
総語数:約7000 words
巻き戻してもどうしても分からない語数:101 words
↓
理論的な聞き取れてる率:98%
[ 実験6 ] 9月初旬某日
音源:CNN 10 約10分
総語数:約1450 words
巻き戻してもどうしても分からない語数:29 words
↓
理論的な聞き取れてる率:98%
[ 実験7 ] 9月初旬某日
音源:PBS NewsHour 約15分
総語数:約4000 words
巻き戻してもどうしても分からない語数:54 words
↓
理論的な聞き取れてる率:98%
[ 実験8 ] 9月初旬某日
音源:PBS NewsHour 約15分
総語数:約4000 words
巻き戻してもどうしても分からない語数:86 words
↓
理論的な聞き取れてる率:97%
[ 実験9 ] 9月中旬某日
音源:CNN 10 約8分
総語数:約1400 words
巻き戻してもどうしても分からない語数:33 words
↓
理論的な聞き取れてる率:97%
[ 実験10 ] 9月中旬某日
音源:Anderson Cooper 約40分
総語数:約7500 words
巻き戻してもどうしても分からない語数:140 words
↓
理論的な聞き取れてる率:98%
[ 実験11 ] 9月中旬某日
音源:PBS NewHour 約25分
総語数:約3850 words
巻き戻してもどうしても分からない語数:84 words
↓
理論的な聞き取れてる率:97%
🦁本当にニュース聞けてる?!:振り返り
今回の結果から、数回巻き戻していいという条件ならどうやらなんとか「9割」聞き取れていることが分かりました。ただ、聞けない語が多いエピソードは100 words以上も聞けていないということも分かりました。
この結果、総合的には一見いい感じに見えるかもしれませんが、実際終わってみると、聞けていない「残り1割」を埋める壁をかなり痛感することとなりました。
聞き取れなかった箇所は大きく分けると、以下の4つでした。
1. 冠詞・前置詞などの機能語でかなり弱くなっていて聞き取れない
2. 馴染みのないコロケーション
初めて聞くコロケーションかつ発話スピードが速いものは、中学レベルなどの本当に簡単な単語でも一気に聞き取れなくなりますね。
3. 低頻度語彙・難しい語彙
単純に語彙を知らなかったもの・・当然聞き取れないですね。。
4. 速さについていけない
以前に比べると速さについていけず聞き取れないのはかなり減ったのですが、Anderson Cooperの速いのはなかなか聞き取れないとこが多かったです。ひどい時は、Anderson のI want to が3語とも聞き取れていないとこなどもありました。
限りなく全て聞けるようになるにはまだ数年はかかりそうです。
また、繰り返しますが今の僕のレベルでは、9割聞けると言っても、巻き戻ししていいなら9割聞けるレベルであり、まだまだリスニング力の底上げが必要だと強く感じました。
巻き戻しなしだと、9割聞けるエピソードもあるかとは思いますが、9割り切るものもけっこうあると思います。
特に、Anderson Cooperはかなり多くの箇所で3~4回は巻き戻しているため、これに関しては「聞ける」と自信を持って言えるにはほど遠いレベルです。
お読みいただきありがとうございます!次の記事では、どのようにすれば効果的にニュース英語が聞けるようになるかを書きたいと思います。(たぶんそっちは有料記事!)
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