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乍ら観キノ・プラウダ

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「ながらみキノ・プラウダ」と馳せ参じます。23年初旬から突如始まった新作映画評もどきを、今回まさかのマガジン/連載化。不定期更新。
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記事一覧

映画『ケイコ 目を澄ませて』をみる。

シネ・リーブル梅田を訪れるのは実に2年振りでした。高校以来、自主制作映画を本格的に撮り直…

映画『モリコーネ 映画が恋した音楽家』をみる。

「映画音楽家」と訊いて、真っ先に思い浮かべるのは? ジョン・ウィリアムズ、ダニー・エルフ…

映画『あつい胸さわぎ』をみる。

1月以来のシネ・リーブル梅田であります。平日のお昼にも関わらずほぼ満席状態で、そんな高い…

映画『エンパイア・オブ・ライト』をみる。

暗闇の中に、光を見出す。 『モリコーネ 映画が恋した音楽家』以来のOSシネマズ、第95回アカ…

第18回大阪アジアン映画祭の6日目をみる。

3月15日、早朝一路、大阪は中之島美術館へ。別連載をお楽しみの皆様には絶妙なネタバレ案件か…

映画『いつかの君にもわかること』をみる。

第18回大阪アジアン映画祭の興奮冷めやらぬ、3月15日。 『あつい胸さわぎ』以来となるシネ・…

映画『君に幸あれよ』をみる。

梅田・十三が誇るミニシアター、シアターセブンへこの度初見参。監督の櫻井圭祐は色覚異常、つまりほぼ「赤を感じる視細胞のない」写真家・俳優・映像作家でもあります。小橋川建、髙橋雄祐といった馴染みあるキャストと共に編み上げた自身初のオリジナル脚本作品。2月の渋谷ユーロスペース上映以来、話題に事欠かなかった逸品とようやくご対面。期待値マックス。 小橋川建演じる債権回収屋の真司はある日、新人・理人(髙橋雄祐)の育成係を命じられた。寂れた商店街にあるラーメン屋の味をこよなく愛し、覚束な

映画『デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム』をみる。

煽て上げるだけが「ドキュメンタリー映画」ではない。 例えば「プロフェッショナル 仕事の流…

映画『レッド・ロケット』をみる。

『いつかの君にもわかること』以来のシネ・リーブル梅田。そういえば当方TCGメンバーズカード…

映画『午前4時にパリの夜は明ける』をみる。

『レッド・ロケット』鑑賞直後の、シネ・リーブル梅田。来場者プレゼントにもらったストロベリ…

映画『EO イーオー』をみる。

ロバが主演の映画なんて、果たしてあり得るんですか!? あり得るんだなコレが。『レッド・ロケ…

映画『私、オルガ・ヘプナロヴァー』をみる。

はじめに事件の2日前、彼女が家族へ向けて送った手紙を引用したい。 「孤独ゆえ 手紙を書きま…

映画『TAR/ター』をみる。

本編を語る前に、まずは突然の引退発言について主宰なりの見解。 あまり良い表現ではありませ…

映画『aftersun/アフターサン』をみる。

スコットランドの新星、シャーロット・ウェルズ初の長編作品。 父親カルム(ポール・メスカル)は離れて暮らす11歳の娘ソフィ(フランキー・コリオ)と共にトルコ旅行へ出掛けた。20年後、父と同じ年齢になった娘は当時の様子をビデオカメラ映像で回想する。その時には気付けなかった彼の知られざる苦難や葛藤が、静かに浮かび上がってきます。説明的描写を極限まで排した101分間に散りばめられた記号の数々、独断と偏見で読み解く。 カルムの生い立ちについて。ソフィに「11歳の時、どんな将来を思い