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「おちこぼれフルーツタルト」感想

 お疲れ様です、サラダです。
 今回はこちらのアニメの感想になります。

おちこぼれフルーツタルトとは


 アイドルを志して上京してきた高校一年生・桜衣乃は、 ネズミ荘の住民の売れない(元)子役のロコや ミュージシャンのはゆ、モデルの仁菜とともに、 新人アイドルユニット「フルーツタルト」を結成!
 
 取り壊しの危機に瀕するネズミ荘を救うため、 芸能界のおちこぼれ達がアイドル活動に七転び八起き!?

 ©浜弓場 双・芳文社/おちこぼれフルーツタルト製作委員会


新生”お下品アイドル”爆誕


 評価指数7。
 アイドルアニメと見せかけたギャグ日常アニメ。
 きらら作品らしいゆるふわ感はありますが、一個一個のギャグは情報量も多いかつ濃厚なため、実は見ていて体力を使うアニメだと思います。
 
 濃厚とはどういうことかというと、このアニメの登場人物は全員なんらかの特殊性癖の持ち主で、その点をギャグに活かしているということです。ようするに変態どもです。
 この自重のない変態っぷりがこの作品の持ち味になっていて、他のアイドルものとの差別点になっているんですね。

 クリーンなイメージを大切にしているアイドルという要素と、変態的なお下品ギャグを両立させるというのは一見難しそうなんですが、その点を繋いでいるのが”おちこぼれ”という要素です。
 「まあ、おちこぼれならしょうがないか」と許容範囲を広げることで、お下劣、お下品、ポンコツを受け入れやすくする土壌ができています。
 作品のバランス調整がなされているんです。

 あまり大きな声でおススメしずらい部分はありますが、ニッチなところを攻めた作風はしっかり確立されているので、好意的な感想が多く見受けられました。
 やっぱりこの作品にしかない味があるアニメっていうのは見ていて楽しいんですよね。

 あと、絵的な話をすると色彩が豊かだなあと思います。各キャラクターそれぞれに色があって、デザインも可愛く仕上がっていましたね。
 5人のメインキャラのバランスも良くてけっこう好きなキャラとかバラけるんじゃないかなあと思います。

 ちなみに僕が好きだったのはロコ先輩でしたね。ボケの多いこの作品では重要なツッコミ役を担ってくれたのが、なんというか健気で。
 監督の川口敬一郎氏もインタビューで一番動かしやすいキャラクターとして名前を挙げていました。さすがロコ先輩、キャリアが違うぜ!

 
詳しく見てみたい方はこちらからどうぞ
https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=160505740

気になるのはテンポの遅さ


 先ほど言った通りこのアニメの面白さはねっとりとしたギャグにあるんですが、ゆえにテンポについて気なってくる部分もあります。
 一つの事象に対してボケの数が多い、しかもけっこう引きずるんです。
 
 例えば12話、Bパート前半のくだり。
 話の流れとしては、

 穂歩のネズミ耳ボケ→ロコの身長詐称疑惑→髪ネタからの仁菜いじり

 となります。ボケにボケを重ねていて、この間は話が止まっているんです。
 このアニメはストーリー展開を期待するアニメではないのは重々承知ですが、話が進まないとテンポが悪くなって停滞感が生じてきます。
 4分間の漫才とかならまだ勢いで乗り切れるのですが、24分くらいあるアニメだと停滞感って気になるんですよね。

 この部分は川口監督もバランスに苦労していたようで、結果的にはテンポを緩めて見やすくすることにしたようです。 
 たしかにこのギャグのねっとり感こそ、このアニメの味とも言えるので物語として重視したいことは何かを考えて至った結果だったんだと思います。

 あとは俗にいうこけしデフォルメ。
 ギャグパートで使う分にはいいんですが、普通のシーンでも割と多用されているのが気になりましたね。
 僕はけっこうデフォルメとかSDキャラの多用は、バレなそうな手抜きに見えがちだと思っている派なので、使用頻度を下げてもいいんじゃないかなあと感じました。
 

最後に


 このアニメは名作とかそういうんじゃなくて、「こういうアニメがあっていいよね!」という珍味を味わうような気分で楽しめます。
 とくに最終話はけっこうスタッフのやりたい放題が加速していて、見ていて一番面白く、一番ツッコミが疲れる回でした(笑)
 
 最後までクリームあんみつの小判ザメ感丸出しのところも、いい意味でおちフルらしい締めだなあと思います。
 2期があるのかはわからないですが、やるならもっと日常よりギャグに振った内容で見てみたいですね。

 あと、穂歩さんはもうちょっと仕事しような。

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