阿部共実ガチ勢が選ぶ今読みたい阿部共実10選（『空が灰色だから』＋『死に日々』）

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阿部共実作品無料公開ということで、自他共に認める阿部共実大好き人間である筆者が独断と偏見で選んだ好きな回10選を紹介します。

やっぱり漫画を読んでほしいので、最低限の紹介だけにします。

それでは！！！

空が灰色だから・第14話「おはよう」

通学路でいつもおはようって言ってくれるちびっ子にあいさつを返すためにシャイなお姉さんがめっちゃ頑張る話です。

『潮舞い』第66話（筆者が『潮舞い』で一番好きな回）のバーグマンの募金といい、できる人にとっては些細なことを、できない人がめっちゃ頑張る姿に胸が熱くなります。

空が灰色だから・第21話「こんなにたくさんの話したいことがある」

個人的に『空が灰色だから』といえばこの回です。独特のワードセンスもさることながら、途中までどう転ぶかわからない緊張感はオムニバスショートの『空が灰色だから』ならでは醍醐味ともいえます。

ちなみにこの後日談が第二巻のカバー裏に載ってあるので、気になるオタクは要チェック！

空が灰色だから・第26話「世界は悪に満ちている」

高校を中退して魔法少女として近所のパトロールをしているお姉さんの話。ガキンチョに「妖怪コスプレババア」と恐れられている。悲しい。

これもちょっと成長する話ですね。そういえばこの頃の阿部共実作品って割と親子関係描いていたことをこれ読んで思い出しました。大人が登場しても「大人になり切れない大人」みたいな人ばかりで、あまりこういう子を律する典型的な親って出てこない印象があります（最近だと右佐ママくらい？）。いても黒化してる印象があります。

空が灰色だから・第32話「衝動でございます」

地味に他の回での出番もちょくちょくあるマジメ委員長のメイン回。序盤のゆるい雰囲気からいつのまにか不穏になるまさかの転調が怖いです。

そして見開き大ゴマのクライマックスが本当に美しいです。『空が灰色だから』の見開きの大ゴマはかなり希少なので、それだけ劇的なシーンなのがわかります。

空が灰色だから・第38話「噂によると世の中は甘くないらしい」

『空が灰色だから』の顔ともいえるりこなちゃん率いる3人組のメイン回。オムニバスショートなので同じキャラのメイン回が複数あるのは珍しいことですが、りこなちゃん回はなんと全部で3回（最多）あります。その中でも一番好きなのがこの回。

これは2回目のメイン回なので、3人の役割がより明確になってますね。ちなみにこの3人組の屁理屈討論回はその後の阿部共実作品にも多く登場します。原型ともいえる回なのではないでしょうか。

空が灰色だから・第42話「漏らしたくない」

おしっこは漏れそうだけどプライバシーは漏らしたくない女の子の話。モノローグのセルフツッコミが面白いです。

ちなみに私も最近のTwitterはこの話をリスペクトしてなるべく情報を出さないようにしています。アニメや漫画の影響を受けやすいタイプなのでね。

空が灰色だから・第46話「初めましてさようなら」

テンションが高いから忘れそうになるけど、どう考えても背景が重い系です。これも阿部共実の十八番といえそうです。

読後感がいいのか悪いのか、どんな顔すればいいのかわからないオチは必見です。

空が灰色だから・第51話「飛んで落ちて死んで」

サムネ画像の通り仲の良い友達に友達ができて、取り残されちゃう話です。読んでて胸が苦しくなります。

「まあ別にどうだっていいんだけど」と何度も自分に言い聞かせて強がる姿がいじらしいとともに心を締め付けられます。こういうとき差し伸ばしてくれた手を掴めないんですよね……。

死にたくなるしょうもない日々が死にたくなるくらいしょうもなくて死ぬほど死にたくない日々・第6話　え

クソ長い作品名に対してタイトルがまさかの一文字。女の子がマジでかわいいです。一見無表情に見えて表情出まくりなのが可愛いです。あとおっぱいデカいし。

この阿部共実特有の勢いと言語感覚はとても好きです。それと、加賀さんも26歳でフリーターなの哀愁漂いますね。こういうたまたま会っただけの関係も好きです。

死にたくなるしょうもない日々が死にたくなるくらいしょうもなくて死ぬほど死にたくない日々・第12話　アルティメット佐々木272

佐々木さん！好きです（告白）！！

いつのまにか自分の歳が佐々木さんに近づいてきているのが恐ろしいです。『空が灰色だから』は初めて自分の図書カードで買った漫画だったので、りこなちゃんも年上だったのですが、いつのまにかですね……。時の流れは恐ろしい（アルティメット佐々木274）。

オチが綺麗なのがズルいです。なんですかパンツの色当てさせるセクハラ決められて「雨上がりの虹色」って答えるのは。虹色というのは、とても素晴らしいですね。

おわりに

というわけで簡単に10話ぶんレビューしてみました。無料期間の終わりが9/2と少し先ですが、読めるときに読んでしまいましょう。

本当は『潮が舞い子が舞い』の好きな話ピックアップもしたいところですが、特定のキャラが登場する回や好きな回を厳選すると作品の良さが損なわれる気がして悩み中です。オムニバスの『空が灰色だから』『死に日々』とは違って、積み重ねを楽しむ漫画でもありますから。読み直すときは拾い読みでいいんですけど、最初は1話から飛ばさずに完走してもらいたいです。

『潮が舞い子が舞い』は過去の阿部共実作品を読んでいるとより楽しめる漫画ですので、理想は『潮が舞い子が舞い』一周→『空が灰色だから』『死に日々』一周→『潮が舞い子が舞い』二周目、ですかね。

それと出版社が違いますが、これを機に単行本化されていない『おもいでをまっくろに燃やして』（これはガチ名作です）や作者ホームページに載っていた漫画、旧チャンピオンクロスで掲載されていたWeb版『死に日々』の単行本未掲載話数なども公開または単行本化に期待したいですね！