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映画日誌’21-29:シャイニー・シュリンプス!愉快で愛しい仲間たち

trailer:

introduction:

実在するゲイの水球チーム「シャイニー・シュリンプス」をモデルにしたヒューマンドラマ。LGBTQ+による世界最大のスポーツと文化の祭典「ゲイゲームズ」出場を目指して奮闘する様子と、彼らのコーチを務めることになったゲイ嫌いの水泳選手との交流を描く。実際のシャイニー・シュリンプスのメンバーでもあるセドリック・ル・ギャロが監督・脚本を手掛け、『美女と野獣』などのニコラ・ゴブらが出演。(2019年 フランス)

story:

元オリンピック銀メダリストのマチアスは、同性愛差別発言によって世界水泳大会への出場資格を失ってしまう。彼に課されたペナルティは、ゲイのアマチュア水球チーム「シャイニー・シュリンプス」のコーチとして、3ヶ月後にクロアチアで開催される世界最大のLGBTQスポーツ大会「ゲイゲームズ」出場を目指すこと。パーティー好きで勝ち負けにこだわらない、一癖も二癖もあるメンバーが揃う弱小チームを鍛えるべく、悪戦苦闘するマチアスだったが...

review:

まず、この映画に出会ったことで「ゲイゲームズ」の存在を知ることができたことが大きい。Wikipediaによると「ゲイゲームズ(Gay Games)は、ゲイゲームズ連盟(GGF)によって夏季オリンピックの中間年に開催される同性愛者を対象とした総合競技大会。創設者はトム・ワデル博士。当初はゲイオリンピックの名称の予定だったが国際オリンピック委員会(IOC)やUSOCがオリンピックの使用を禁じられたためゲイゲームズと名づけた。」とのこと。次回は2022年に香港で開催されるそうだが、開催が危ぶまれているらしく心配だ。

作品の中にも描写されているが、ググってみるととても自由で楽しそう。しかし同時に、日本語で紹介されているニュースやサイトが少ないこともに気付く。私もそうだったけれど、「ゲイゲームズ」そのものが日本人にはあまり知られていなさそうだ。今回の東京オリンピックでもトランスジェンダーの選手が出場して話題になり議論にもなったが、性別や性嗜好に関わらず、誰もが楽しめる世界大会があるといいなぁと思ったりする。

「シャイニー・シュリンプス」のメンバーも、ゲイゲームスに出場して楽しむことが一番の目的で、勝ち負けには執着していない。ゲイゲームスの会場に向かう道中もハチャメチャだしロマンスは生まれるし、明日は試合だと言うのにパーティー会場でハメを外して全力で楽しんでる姿が微笑ましい。っていうかパーティーの様子があまりにも楽しそうで、私もあそこに参加したいよ・・・。

この世の中でゲイとして生きていくことは、まだまだ、葛藤や厳しい現実もあるだろう。でも、それを吹き飛ばすようにその瞬間を明るく楽しむ彼らの姿にパワーをもらった気がする。物語は予想通りの展開だし、全体的に荒削りだし、ゲイの描き方もステレオタイプだったりするが、自身もゲイであるル・ギャロ監督がこの作品にこめた “たとえ現実が厳しくともユーモアが勝利する” という思いが、しっかりと描かれていたと思う。傑作とは言わないが、素敵な映画だった。

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