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詩 『涙』

ユキちゃん、ごめんね。そんなつもりじゃなかったの。
ユキちゃんのタロちゃん、死んじゃったのね。ごめんなさい……。
泣いても、いいんだよ。そんなふうに、ほほえまないで……。

ほほえみの向こうに、本当の気持ち、隠してない?
私は感じるの。ほほえみの中の深い悲しみ、そして
心にいつまでも残るタロちゃんへの思い。私、私もね……。

ユキちゃんからもらった、タロちゃんの兄弟猫、
ポンちゃんも、本当はタロちゃんと同じ、猫エイズなの。
ポンちゃんのこと、自慢しちゃったけど、ほんとは私も……!
ユキちゃん、一緒に泣こう?
う……。泣けないのなら、私がかわりに、泣いてあげる……。

ユキちゃんがいきなり、抱きついてきた。
「うわぁーーあ!」
「うっうっ……ああーー!」
ユキちゃんは、なかなか泣きやまなかった。

私はギュッとユキちゃんを抱きしめ、一緒に泣いた。
やがてユキちゃんは顔を上げ、すすり上げながら私を見た。
「ありがとう」
そして心からの笑顔を見せてくれた。瞳に涙のかけらを残しつつ。

……… ユキちゃんの涙は、いつまでもキラキラと、光って見えました。

                             <了>

物書きあつまれ!第二回「絵から小説」【詩もOK】
コンテストに参加させていただきます。
清世さん、このような機会をいただけましたこと、お礼申し上げます。
ありがとうございます。

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