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詩『お守り』

涙がこぼれないように
青い空を見上げたあの日
負けるものかと呟いてた

涙を見られないように
傘を差さずに濡れたあの日
拳を硬く握りしめてた

悔しくて 悲しくて
それでも生きていくために
ぼくは今 歩いている

自分を守るために持った
たった一つの拠り所
人はそれを夢と呼ぶ

乾いた地面に ぽつりぽつり
涙が落ちたあの日
俯いて歯を食いしばってた

みじめで みすぼらしくて
それでも生きていくために
ぼくは今 歩いてる

自分でありたいために持った
心の中の最後の砦
人はそれを夢と呼ぶ

夢ではないんだ
ぼくのお守り

崩れそうになる心を
押しとどめてくれるから
自分を信じていられる

ぼくは夢追い人じゃない
自分の中に 信じるに値するものが
それしかないんだ

フィンセント・ファン・ゴッホ『ひまわり』(1888年)
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