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詩『一粒の光』

ウィリアム・ターナー
『月光、ミルバンクより眺めた習作』

眠れないなら外に出て
空を見上げてごらん
ほら、わたしが見えるだろう?
そう、わたしは月

わたしの光はね
太陽ほど強くない でも
あなたを空から見ているよ
ふるる、ふるる、ふる、ふるる……

わたしの光ではね
悲しみ全てを晴らせない でも
涙を一粒だけ、輝かせられるんだ
ふるる、ふるる、ふる、ふるる……

わたしは遠く隔たっている
雲がかかっただけで遮られ
雨が降れば見えなくなる でも
光を一粒、届けよう

涙の色は心の色
不安や悲しみが支配する心に
いつも灯しておいてほしいな
押しつぶされてしまわないように

光は闇の中の道標
まっすぐに伸びて未来へ届く
どんな闇も晴らす力になる
いつか一面に光があふれるだろう

その時気づくはずだよ

大切にしてきた心の本当の姿
苦しんだほど、悲しんだほど
美しい光を放つはずだから
それまで光を守っておくれ

きっとできる

必ずその日が来る

わたしはそう信じて

今日も空から見ているよ

ふるる、ふるる、ふる、ふるる……

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