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現役場面緘黙症の私の物語(10)

小学5年
一番記憶に残ってるのは合宿前のこと

合宿の前日に顔に氷の入った雪をぶつけられた
私は参戦してなかったけど
同じ通学班の人たちが通学中雪合戦してて…
それがたまたま私の顔に当たってしまったのだ

顔から道路に血が流れていって
私は動揺していた
家に戻るより、学校のほうが近かったため
学校の職員室に連れていかれた

幸い目からはそれていた
学校では血が止まるまで冷たいタオルをあてられた
目撃した人は先生に何があったか聞かれていたが私は動揺していたため話の内容は覚えていなかった

しばらくして、教室に戻っていいと言われ
戻ろうとしたのだが
ちょうどトイレの鏡が目に入り、鏡を見てみることにした

左目周辺には、青いあざが広がっていた
ひどい顔だ
しばらく見ているとクラス委員の女の子が探しにきてくれた
一人で教室に入るには勇気がなかった
クラス委員の子は『大丈夫』と言って教室に連れてってくれた

たくさんの目が私を見ていた
私は誰とも目を合わせることもなく席についた

しばらくすると、一人の男の子が先生に質問した
『明日の合宿行けるの』と…

行きたくなかった…
ただでさえ行きたくないのに、こんな顔で…
しかし、先生はこう答えた
『大丈夫、行けるよ』と
クラスメイトの表情は安心したように見えた
普段いじめてくる人も
この時だけは優しかった

放課後になると、氷の雪を投げた男の子の親が迎えにきた
そして、そのまま整形外科へ
私の番がきた
レントゲンをとった結果、目には異常なし
骨も問題なく
おそらく顔に傷は残らないということだった
少し安心した

そして、家に帰るとうちで待っていた母に謝って
診察結果を説明しているようだった

翌日、合宿に参加した
この時の集合写真は、二度と見たくないものとなった…

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