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報告の会話術6つのポイントの(1)・(2)・(3)

 ⒈【やっていますか?…「相手に聞いてもらうための状況づくり」】:コミュニケーションには、常に「相手」がいます。「自分が!自分が!」自己中心的に伝えようとしても、相手にはなかなか伝わりません。なぜならば、相手には相手の「都合」があるからです。

 こんな時は、報告の時の「部下の口癖フレーズ」と言っても過言ではないフレーズがあります。「部長、今よろしいでしょうか、先日〇〇の件で報告があります!…」と勢いよくたたみかけるように話す課長がいました。

 ところが、その課長はいつも上司には目を向けずに自分の資料とか時計などを見ながら、「早口」「今よろしいでしょうか!」と言ったかと思うと、上司の返事も聞かないままに機関銃のように、報告し始めるのです。

 部長は眉間に皺を寄せて、「君、まだ私はいいともなんとも言っていないだろう。これから役員会議での資料チェックがあるんだ。〇〇の件なら、おおよそのことは把握しているから、役員会議が終わってからにしてくれないか!」と「スムーズな報告」とは言えない姿になってしまいます。

 この課長は、他の上司に報告する時も、「口癖」のように「早口」「今よろしいでしょうか」と言って、例の如く「自分は忙しい!」と言わんばかりの口調で報告し始めるそうです。そして、彼はやがて社内の上司達の間で「今よろしいですか課長」というニックネームをつけられたそうです。

 報告時、上司に対しての「今よろしいですか?…」は、相手を気遣って「相手の都合を聞くための」言葉です。こうなると、資料や自分の時計などを見ながら話す姿は、相手に対して失礼です。相手が上司ですから、まず「光の速度」で報告者の「態度・表情・視線」といった「視覚情報」が目に飛び込んできた瞬間、違和感や不快感を抱いてしまうことでしょう。

 このような時には、まずコミュニケーションの基本として、「挨拶」「アイ・コンタクト」「相手を考える」という「3つのアイ」を実践しましょう。この時に相手の名前を呼んで「〇〇部長!おはようございます。」と相手にこちらを向いてもらい、挨拶をしてウォームアップのやり取りをしましょう。運動する際の準備運動のようなものです。

 これはあくまでも基本のプロセスですが、ビジネスで共通することは「緊急性」がある場合は、そのことをまずは伝えるようにしましょう。

⒉【結論から先に言う】:これは今までに何度も出てきた「ビジネス現場での鉄則の話し方」です。よく言われることですが、報告の時にダラダラと「自分の意見」から世間話のように伝える人がいます。「前から気にはなていたのですが、… 〇〇さんはですね、… 返事の言葉は良いのですが、… 肝心の決済の時になると、肩透かしというか、曖昧というか、優柔不断のところがあるのですけれど、・・・」

 こんな話し方の場合は、大抵の上司は「〇〇さんとはA社のご担当の方かな?」「でなんの報告かな?」「結論は何なのかね?」などの決まり文句が返ってくることでしょう。

 お互いに忙しい中での「報告」です。まずは結論から伝えることを鉄則としたいものです。「結論から申しますと、・・・」を報告の時の最初のフレーズとして習慣づけたいものです。しかし、上記の「今よろしいですか課長」のように「言葉」に「相手を考える」という気持ちがこもっていなければ、意味がありません。言葉は「結論から申し上げます!」と元気よく伝えたとしてもその後の話がダラダラと長くて一向に結論に辿り着かなければ、「言行不一致」相手をイライラさせてしまいます。報告者は「結論を一言で言うと、…」の明快な回答を考え、具体的に表現できるよにしておくことが、身内の人間同士と言えども、相手に対する「思いやり」「ビジネスパーソンとしてのマナー」と心得たいものです。

⒊【内容は正確に、簡潔に伝える】:これもビジネス現場での話し方の「鉄則」と言えます。内容を正確に伝えるためには、必要最小限「5W1H」くらいは事前に整理しておくべきです。その順番も間違わないように、報告に行く前にメモなどに「キーワード」だけでも書いて、頭の中でシミュレーションしておくだけでも伝え方がわかりやすくなり、上司や先輩にもより正確に伝わることでしょう。特に「誰が」「何のために」という「主語」と「目的語」をしっかりと押さえておくように習慣づけましょう。

 例えば、「納期が遅れるとのことです!」と伝えられても、あまりにも漠然として何一つ理解することができません。

 まずはストレートに疑問に思うこととしても、「納期とは何の納期なのか?」「遅れるとは、具体的にいつがいつに変更になるのか?」「その原因や理由は何か?」「なぜそのような結果になってしまったのか」「誰の決定なのか?」という「5W1Hの情報」が欠けていると全く伝わりません。

 このような基本的な確認事項を「具体的」に押さえていくと共に、前提条件や今までの経緯や発言や出来事との「関係性」や「整合性」を明確にするために聞かなければならないこともあります。

 それを上司に質問される度に、「その部分はまだ確認しておりません。」「そのの納期は、いつ頃決定したかは記憶が確かではないのですが、おそらく、・・・」などと事実確認のための無駄な時間をとってしまい兼ねません。

 仕事は上司や先輩からの「指示・命令」から始まって「報告」によって、上司・先輩が次のアクションを考え判断することができます。この時の判断材料があまりにも少なかったり、量は多いが内容の理解不足であったりすると、仕事が前に進まないのです。

 そして内容や周辺情報や関連情報を整理して、事前に報告者自体がしっかりと報告の内容を理解しておく必要があることは、ご理解いただけたことと思います。

 さて、内容の整理ができたら、今度は実際に報告する際の「話し方」としては、今まで触れた「3点法」で「3つにまとめた話し方」や「2S法」で「シンプル」つまり「簡潔な表現」で、「ショート」即ち「短文で区切って「。」の多い文章にする」という話し方を心がけましょう。



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