Appleの開発者向けイベントWWDCで今秋に登場するiPhoneの新しいOS「iOS18」の発表がありました。
写真機能は毎年進化していますが「iOS18は写真アプリ史上で最大のデザイン変更」と宣言。
思い返すと、私がブログを書きはじめた12年前はiOS6をインストールしたiPhoneやiPadを使っていました。
そこで、iPhone写真アプリ11年間の変遷を振り返りました。
iOS6(2012年9月公開)
iOS6の写真アプリはアイコンがひまわりでした。
当時の私はデジタルカメラで撮影した画像をiPadに取り込んでプリント注文していたのですが、サムネイルがずらっと並ぶだけの写真アプリは使いづらいものでした。
アルバムを作成して分類することはできましたが検索機能はもちろん、写真の編集機能もありません。
iOS7(2013年9月公開)
フラットデザインが採用されて写真アプリのアイコンは現行デザインに。
共有アルバム(旧称:iCloud写真共有)がはじまったのもiOS7です。
写真の撮影場所や撮影日時を元に自動で分類表示されるようになり、フィルタ加工や自動補正を適用する編集機能が追加されました。
iOS8(2014年9月公開)
iOS8はリリース当初、大きな混乱をきたしました。
「カメラロール」が消えて、新たに出現した「最後に追加した項目」は直近30日間の写真とビデオを表示。
「写真」タブのモーメントですべての写真とビデオを見られるのですが「カメラロール」を使うユーザーが多かったため過去の写真が消えたと騒動になりました。
結局、iOS8.1でカメラロールは復活し、「最後に追加した項目」アルバムはなくなりました。
AppleサポートのiOS8リリースノートはiOS8.1からはじまっており、iOS8.0.2は幻のようになっています。
でも、iOS8で写真機能が大きく変化したのは間違いありません。
たとえば、「最近削除した項目」アルバムは私にとって待望の機能追加でした。
それまでは写真・ビデオを削除するとすぐにiPhone本体から消えてしまい誤操作に泣いたことも。
お気に入り(♡)、非表示、撮影日や撮影場所での検索、スマート編集、他のアプリからの変更や削除操作(アプリ間連携)、MacとのAirDropといった今では当たり前の機能が備わったのがiOS8でした。
そして、「iCloudフォトライブラリ」と「ファミリー共有」の鮮烈デビュー。
(iCloudフォトライブラリはベータ版を経て2015年4月に正式公開)
iCloudフォトライブラリもiOS8リリース直後は一時的に使えなくなったりしたので、カメラロール消失騒動しかり、良くも悪くも大変印象に残っています。
iOS9(2015年9月公開)
衝撃の多かったiOS8と比べると、iOS9は写真に関する新機能は控えめ。
自動分類のスマートアルバムに「セルフィー」「スクリーンショット」が追加。
iOS9はメモアプリが大きく変わり、写真やビデオをメモに追加できるようになりました。
Siriも機能追加によって写真アプリ内を検索できるようになりましたが、、、
質問の内容によっては検索できないこともあり、まだ精度は低かったです。
iOS10(2016年9月公開)
iOS10で華々しく登場した「メモリー」と「ピープル」。
しかし、撮影日・場所・被写体といった撮影情報から"勝手に"写真をピックアップするメモリーは煙たがれることも。
人物の写真やビデオを自動でタグ付けする「ピープル」もカスタマイズできないので"消す方法"の質問をよく受けました。
写真の編集機能にマークアップ(Markup)が追加されたのはiOS10です。
このとき使えたのは手書き文字、テキスト追加、拡大鏡でした。
「メモリー」「ピープル」「マークアップ」は最新のiOS18にもある機能ですが、iOS10の時点では自由度が低くて使い道がわからず少々困惑しました。
一方、新機能の陰で復活したのがiOS7で消えた撮影地アルバム。
これは嬉しかったですね。
写真・ビデオの個別表示でも撮影地と地図を見られるようになりました。
iOS11(2017年9月公開)
iOS11から、軽量化された新フォーマット「HEIF」「HEVC(H.265)」を採用。読み方もさることながら、他のアプリで使えるか心配で躊躇したことを思い出します。
私がiOS11で小躍りした新機能は3つ。
ひとつめは、Live Photosの編集です。
iOS11登場の2年前に発売のiPhone6sから搭載されたLive Photos撮影ですが写真アプリでできることは少なかったのです。
私は子どもをよくLive Photos撮影していたので、キー写真を変更してベストショットとして印刷したりと重宝しました。
標準のカメラアプリでQRコード読み込みも待望の新機能。
ロック画面からカメラアプリを起動してQRコードを読み込めるし、使いやすくなりました。
3つめはiPhoneの操作画面を録画できるようになったこと。
それまでパソコンから録画していた手間とは桁違い。
カメラアプリで撮る写真やビデオは新フォーマット採用で軽くなったのに、画面収録を使いすぎてiPhone本体容量を圧迫させたことも。
iOS12(2018年9月公開)
アニ文字「ミー文字」や画面を見ている時間を計測する「スクリーンタイム機能」が新機能として注目を浴びる中、写真アプリはデザインを大幅に変更。
写真やビデオの検索機能が独立して、メモリーは「For You」となって自動提案のバリエーションが増えました。
写真やビデオに写る人物を識別して共有を提案するおせっかい機能はメッセージアプリでしか共有できず使うことはありませんでした。
私がiOS12で印象に残っているのは「iCloudフォトライブラリ」が「iCloud写真」へ、「iCloud写真共有」が「共有アルバム」へ名称を変更したこと。
数日がかりでブログ記事を修正しました。
iCloud写真はiCloudリンクが追加されて他のユーザーと共有できるようになりましたが利用環境によっては見られないことがあるので積極的には使っていません。
iOS13(2019年9月公開)
iPadOSの登場によりiPhoneとiPod touch向けのOSとなったiOS13。
写真アプリにSmart photo previews(スマートフォトプレビュー)」搭載され、以降はiOS17までデザインの大きな変更はありません。
iOS13のスクリーンショットを撮るときは、新たに登場した「ダークモード」を設定して一目で違いがわかるようにしていました。
機能面ではビデオも回転したり切り取ったりフィルタ加工など写真と同等の編集ができるようになりました。
勝手に提案し続けていた「メモリー」ですが、iO13でようやく自作も可能に。
オリジナルのメモリームービーをつくれるようになりました。
iOS14(2020年9月公開)
iOS14はホーム画面を刷新。ウィジェットを配置して自分好みにカスタマイズできるように。
写真アプリはアルバムもピンチイン・ピンチアウト操作による表示サイズの変更に対応。
サムネイル表示をアスペクト比グリッドに変えたり、絞り込み検索や並び替えなど見やすくカスタマイズできるように。
コロナ禍で外出が減り、写真やビデオを撮る回数は減っても見る回数は増えていたので、表示方法の改善は嬉しかったですね。
年々高まりを見せるプライバシー管理も顕著に。
iOS14でカメラ使用のインジケータ表示と写真へのアクセス制限が導入されました。
特定の人物(ピープル)がメモリーやおすすめの写真に表示されないようにするなど押し付けがましく思えた自動提案も年々譲歩しています。
iOS15(2021年9月公開)
写真・ビデオの撮影情報の表示と変更にようやく、ようやく対応。
iPhoneを使い始めた9年前から標準搭載されることを切望していた機能です。
メモリーとピープルにも大きな変化が。
メモリーはより簡単にアレンジを変えられる「メモリーミックス」が搭載されてApple Musicも利用できるように。
ピープルは人物の認識性能が向上し、マスクや帽子で顔が隠れていても識別できるように。誤った識別の修正にも対応。
コロナ禍でマスク姿の写真やビデオが急増していただけに、時代にマッチした改善でしたね。
iOS16(2022年9月公開)
iOS16といえば、真っ先に思い浮かぶのが写真の切り抜きです。
その年のWWDCで新機能のデモンストレーションにチラッと登場し、驚いて二度見三度見。
実際に使ってみると、写真やビデオに写る人物や動物、モノを選択するだけの簡単抽出に思わず声が出ました。
iOS16でロック画面をよりクリエイティブに設定できるようになったことも歓喜。
他にも、「テキストの認識表示」「画像を調べる」の日本語対応、重複写真の自動検出や編集機能の取り消し・やり直しなど便利な機能が続々と追加。
iCloud共有写真ライブラリも登場するなどiOS16の写真機能はちょっとしたお祭り騒ぎでした。
iOS17(2023年9月公開)
iOS16で度肝を抜かれた写真の切り抜き機能がさらに進化。
オリジナルのスタンプをつくれるようになり、ショートカットを使わなくても合成できるようになりました。
「ステッカーに追加」ってまたメッセージアプリ限定の機能かと思いきやLINEでも使えて驚愕。
顔識別「ピープル」は「ピープルとペット」となり、猫や犬も認識するように。
兄が犬を飼い始めて会うたびに撮っていたら「ピープルとペット」に表示されて思わずニッコリしましたね。
メモリーも写真を追加したり並びを変えたりできるようになりました。
マークアップも使える機能が増えましたがリリース時からあった拡大鏡はひっそりと姿を消しました。
全く使っていなかったのに少し寂しくなりましたね。
従来の機能の改善に加え、iPhoneをスマートディスプレイにする「スタンバイ」や日記提案アプリ「ジャーナル」といった新機能にも写真やビデオを活用できます。
こうして振り返ると、写真アプリのデザインはiOS7や8で様変わりしましたがそれ以降の変化は小さく、直近5年間はあまり変わっていません。
2024年秋に登場するiOS18は写真アプリが1画面に集約されるので、大袈裟ではなく「史上最大の変更」となりそうですね。
10年前のような大混乱はもう起きない・・はず。