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未完成のままで


視界いっぱいに青が広がる。
時々白が混じりながら、横に流れてく。
流れは思ってたよりも早くてそこにあるはずの雲はいなくなってた。

冬の凍えるような空気が好き。
深呼吸すると、肺の奥まで沁みるように浸透してくるとこが良い。
生きてるって感じがする。
汗のかく感じとは違ってとっても無機質で。

いつの間にか器用になったと思う。
あの頃よりずっと誤魔化すのが上手くなった。
本気で向き合うことが少なくなってきた。
スピードに任せて進んでいたら拾えるものもそのままになった。
本当にそれが求めてたものだった?

大切なものも何か分からなくなってた。
変わっていくものに身を委ねてた。
普遍的なものは変わらずにそこにあったのに。
目に見えるものだけを取り繕ってた。
両手には何が残ってたっけ。

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