夢見るそれいゆ 91
パパ達の寝室を出る時、ママが私にそっと耳打ちした。
「私ね、ひなちゃんと恋バナするの夢だったの──。」
朝、登校したら教室の中がざわついていた。
「おはよう。ねぇ、どうしたの?」
私はクラスの女子に話しかけた。
「お、おはよう。昨日から千夏さんの行方が分からないって、家族から学校に連絡あったんだって。」
「ちなっちゃんが行方不明?」
私は心臓が締め付けられるような感じがした。
「ひなたさん、友達だったよね。」
「今、ちなっちゃんに絶交されてて…。」
「そうなんだー。」
そう言うと、彼女はさっさと自分の席に行ってしまった。
家出?それとも事件?
私は指を震わせながらスマホの画面を押した。
しかし着信拒否されてしまい、ちなっちゃんには繋がらなかった。
昨日、ちなっちゃんが教室にいなかったことにほっとした自分が最低だ。
もう二度と会えないとしたら…そう思うとゾッとした。
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