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紫陽花の季節、君はいない 80
検索を続けて、俺は向日葵と書いて「ひなた」と読ませるのを見つけた。
シャンッ!
頭の中で鈴の音が聞こえた。
御葉様が八幡神様と交信していた時に鳴らしていたあの音だ。
(この子の名前は、『ひなた』?)
俺は赤ちゃんの顔を再び見つめた。
『夏越殿、信じるか信じないかは貴方次第です。でも、出会えばきっと【その人】だと分かるでしょう。』
俺の心の中で、御葉様の言っていたことがリフレインする。
俺が闇に飲まれかけたあの日に見た夢。
あの娘はひなたの中にいた。
そうだ。いっそ名前は平仮名にしよう。
それならば、親しみやすいしあおいさんの名前とも共通点が出来る。
「柊司、この子の名前は『ひなた』だ!
平仮名だからあおいさんともお揃い感が出るし、お前の考えた【向日葵】もちゃんと生かしている。」
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