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紫陽花の季節、君はいない 17

あれから2ヶ月半、八幡宮の腹帯の御利益もあってか、あおいさんのお腹の子どもは順調に大きくなっている。
最近、この子が「女の子」だとカミングアウトされ、まさかこの子が紫陽なんじゃないかと期待してしまう自分がいる。

そうだとしたら、柊司のことを「お義父さん」と呼ばなくてはいけないのか。それは嫌だ。

「ねぇ、夏越くん。今日は柊司くん早く帰ってくるから、久しぶりにウチで夕飯食べて行かない?」
あおいさんの提言に俺は甘えることにした。

以前は柊司に毎日夕食を作ってもらっていた俺だけど、今はほとんど自炊している。
相変わらずカップ麺メインだけど、生野菜サラダとかほうれん草のおひたしなど簡単な付け合わせぐらいは作るようになった。

時々アポなしで柊司がやって来て、「ちゃんと食ってるか?」と栄養チェックされる。
どれだけ信用ないんだ、俺。

紫陽が生まれ変わってきても、俺が健康を損なっていては彼女に申し訳ないだろう。

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