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夢見るそれいゆ 114

「俺、女子に壁ドンする女子はじめて見たっす。」
絹人くんが笑いをこらえている。
「時々、俺の立場が分からなくなるよ…。」
更紗先輩の恋人である羊司先輩は、目の前で彼女が女子たちを口説いてたのを見て複雑そうだった。

「つまり、更紗ちゃんは國吉先輩とひなたちゃんから気を逸らそうとしたのよね。」
今まで静かにキルティングしていた木綿子(ゆうこ)先輩が口を開いた。
木綿子先輩は更紗先輩と幼なじみである。

「それで、國吉先輩のファンの子たちはどうなったんですか?」
私は恐る恐る聞いた。
「それはもう…メロメロよ。彼女が本気出したら、落ちない女子はいないもの。ふふふ。」
木綿子先輩の眼鏡が妖しく光った。

「更紗先輩が今日早く帰ったのは、國吉先輩のファン達とお茶会するためなんですよ~。私もお茶会したいなー。」
「今度、部員全員参加でお茶会やろうか。」
「わーい、やるやる~!」
真麻ちゃんと木綿子先輩が盛り上がった。

どうやら、更紗先輩のお陰で平和的解決に向かったらしい。(羊司先輩を除いて…。)

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