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夢見るそれいゆ 95

私は八幡宮に寄らない時は、学校前でバスに乗り下校する。
つまり、学校の近くの八幡宮に住んでいる國吉先輩と帰ることは通常無いのだ。

八幡宮に寄る時だって、多忙な先輩と帰宅時間が被ることは今まで無かった。(告白された時は、私が長居し過ぎた。)
だから、クレハや精霊達と気ままに会えるのだが。

今日は八幡宮に行っても、クレハと喋れないな~と思っていたら、急に首に冷たさを感じた。
「ひゃっ!!」
思わず叫んで振り返ると、イタズラに微笑む國吉先輩がアイスを差し出していた。

「お待たせ。アイス食べながら行こう。」
浮世離れした先輩から、コンビニで買い食いするイメージが無くて、私は驚いた。
「先輩でもコンビニで買い食いするんですね。」
まただ。どうして私は、いつも失礼な言い方をしてしまうのだろう。

「普段は家に帰ってから頂くけど、今日は特別。」
と、先輩は嬉しそうに笑っている。どうやら、気にしてはいないようだ。

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