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紫陽花の季節、君はいない 42

「ところで柊司、何か用があって来たんじゃないのか?」
「そうだった。夏越、昨日詩季ねえが『夏越くんにあげて』ってコンポートとジュースくれたんだ。
ちょっと冷蔵庫入れてくる。」
そう言って、柊司は重そうなレジ袋を持ってキッチンに向かった。

詩季さんは、柊司の一番上の姉さんである。
身長が高く、顔立ちは柊司に似て目鼻立ちがはっきりしている。
柊司の姉妹の中で唯一同じ県在住なので、詩季さんに子どもが生まれる前は、時々弟に会いにやって来ていた。
さっぱりした性格なので、俺も苦手意識なく話すことが出来る。

「夏越~、朝飯作るからキッチン借りるな~!」
どうやら冷蔵庫を開けたら、柊司の料理スイッチが入ってしまったらしい。
俺は朝食を作ってもらうことにした。

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