![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/62420082/rectangle_large_type_2_4b91dc913589cfc265d632696e95a3d9.jpg?width=1200)
紫陽花の季節、君はいない 42
「ところで柊司、何か用があって来たんじゃないのか?」
「そうだった。夏越、昨日詩季ねえが『夏越くんにあげて』ってコンポートとジュースくれたんだ。
ちょっと冷蔵庫入れてくる。」
そう言って、柊司は重そうなレジ袋を持ってキッチンに向かった。
詩季さんは、柊司の一番上の姉さんである。
身長が高く、顔立ちは柊司に似て目鼻立ちがはっきりしている。
柊司の姉妹の中で唯一同じ県在住なので、詩季さんに子どもが生まれる前は、時々弟に会いにやって来ていた。
さっぱりした性格なので、俺も苦手意識なく話すことが出来る。
「夏越~、朝飯作るからキッチン借りるな~!」
どうやら冷蔵庫を開けたら、柊司の料理スイッチが入ってしまったらしい。
俺は朝食を作ってもらうことにした。
読んで下さり、ありがとうございます。いただいたサポートは、絵を描く画材に使わせていただきます。