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夢見るそれいゆ 174

「生まれてすぐの頃は、前世の記憶と現世の状況がごちゃ混ぜになっていた。
言葉を話せるようになって、しばらくナゴシの名前を呼んでたよ。
私がいる国にはナゴシはいないって、理解出来たのは3歳位かな。」

私には前世の記憶があるゆかりちゃんの苦悩は分からない。
でも、このままだと夏越クンに会えないと気付いてしまった時はパニックになったことだろう。

「ヒナちゃん。私ね、後悔したの。
このまま会えないのなら、もっと…きちんとナゴシと話をしておきたかった!
精霊の時は気付けなかったんだ。
人間にとっての年月がとても長いってことに。
結局、15年もナゴシを待たせてしまった。」

いつの間にかゆかりちゃんの話し方は、感情的になっていた。

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