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紫陽花の季節、君はいない 61
「柊司、子煩悩になりそうだよな。」
俺がニヤニヤしていると、
「子煩悩上等だろ!!」
と柊司は鼻息を荒くした。
「妹の世話してたから大丈夫だと思ってたけど、自分の子どもだと思うと緊張するもんだな。」
「そういうものなのか?」
「…ああ。」
柊司がこんな風に緊張しているのは、あおいさんに告白した時以来ではないだろうか。
「夏越、あおいには言うなよ?
流石に緊張してるの知られるのは恥ずかしい…。」
柊司はテーブルに肘をついて、赤くなった顔を手で覆い隠した。
「言わないよ。」
大きな体格が小さく見えて、何だか可愛らしくなっている。
柊司が顔を覆った指の間からこちらをじろっと見た。
「夏越こそ、うちの子にメロメロになるぞ。」
「断言かよ。」
赤ちゃんにメロメロな俺なんて想像出来ない。
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