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夢見るそれいゆ 87

私はママの言葉に顔が熱くなった。
「私が夏越クンの恋人?考えたことがなかったよ。」
夏越クンの恋心に自覚したのも、つい最近なのだ。

「夏越くんの想い人がいるのは私も柊司くんも気づいていたわ。だけど、もう『過去の人』だと思ってたのよ。ひなちゃんだったら夏越くんと仲良しだし、もう少し大きくなったらお似合いだと思ってたの。」
「そうなんだ。」

夏越クンが恋人だったら、どうなんだろう。
私の中で【紫陽花の精霊の恋人】の存在が前提にあって、想像が出来ない。

「ママ、私矛盾してるの。夏越クンのこと『恋』として好きなのに、ゆかりちゃんを一途に想っている夏越クンも好きなの。変だよね。」
私はママに「その想いは間違ってるよ」と言って欲しかった。

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