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紫陽花の季節、君はいない 37
俺が御葉様の提案の返事を渋っていると、涼見姐さんが、
「夏越…年に一度ぐらい紫陽探しについて報告しに来てくれぬか。私達は八幡宮から出られぬのだ。」
と俺に頼みごとをしてきた。
精霊達も紫陽の生まれ変わりの行方が気になっているのだ。
「…分かった。6月30日の『夏越の祓』の日に、紫陽を見つけるまで毎年報告しに来るよ。」
「そうか。約束だぞ!」
俺は精霊達と約束を交わし、自宅に戻った。
7月24日。昨日から1年遅れの東京オリンピックが始まった。2020なんて、俺の心のようだと思った。
柊司はあおいさんの誕生日を祝う為に出掛けて行った。
俺は二人を送り出した後、ある場所に面接に向かった。
面接地に着いて、「受かりたい」と思えたのははじめてだった。
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