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夢見るそれいゆ 101

「ちなっちゃんが闇に…?」
私はゾッとした。あの絶望と虚無の中にちなっちゃんがいたなら、早く助け出さないと。

「可能性は高いです。ひなたさんの場合は私達が邪気を祓えましたけど、千夏さんは時間が経ってしまっているから手遅れになってしまってるかもしれません。」
「そんな!」
闇に飲まれた人間は、最悪命を落としてしまうとクレハが前に言っていた。

「御葉様!何とかちなっちゃんを助けられないのですか?」
私は御葉様の袖を掴んだ。

「完全に失われてしまっては八幡神さまの力を以てしてもどうにもなりませんが、千夏さんが生きて見つかったなら、その御守りを彼女に渡して下さい。」
「この御守りを?」
「はい。御守りには八幡神さまの破邪の力が込められています。」

私は銀色に輝く御守りを握りしめた。

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