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夢見るそれいゆ 106

私は行方不明なのがちなっちゃんだということ、県警の人に図書館で尋問されてたこと、彼女が早く見つかるように神社に参拝してきたことを両親に説明した。

「ひな、それでもこんなに遅くなる時は連絡入れないと。」
パパの言うことはもっともである。
「反省してます。」
私は深々と頭を下げた。
「まぁ、無事で良かった。」
パパは心底ほっとした表情を浮かべた。

「ひなちゃん、神社はひとりで行ったの?」
ママが聞いてきたので、私は國吉先輩が付き添ってくれたことを説明した。
「國吉先輩…ひなちゃんからはじめて聞く名前ね。どんな人?」
「私が1年の時の生徒会長で…何だか不思議な雰囲気の人。」
先輩を説明するには、何も知らな過ぎる。
「付き添ってくれるなんて、優しい人なのね。」
「優しい…うん。」

知らないことは多いけど、いつも眼差しは優しいことは知っている。

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