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カフェから学ぶ

こんにちは!
今回は昔わたしがライティング講座に通っていたときに書いた記事を投稿したいとおもいます。懐かしい記事で、文体がいつもと違いますが、カフェ通いをしていて得たことを記事にしてます。
いつもと違う文体をお楽しみ頂ければと思います。


私はカフェが好きだ。
コーヒーが好きだから行くのもあるが、それよりもカフェの雰囲気が好きだ。
BGMが流れている中で、ゆっくりと時間が過ぎていくのを感じると、慌ただしい現代社会においては、贅沢な時間に感じる。

どの業界もそうであるが、カフェ業界も熾烈な争いだ。街を歩けば、そこかしこにカフェを見つけることができる。
特に大手のチェーン店などは、駅前だとよく見つけることができるだろう。
スターバックス、上島珈琲、ルノアール、ドトールなどなど、たいていの地域で視界に入る。

また個人店も様々な魅力がある。個人店の魅力は、店長の色が濃く出ていることが特徴だろう。豆の質にこだわるお店、雰囲気にこだわるお店、レトロなお店など、またたくさんの魅力がある。

豆の焙煎方法にもこだわりがあったりする。
焙煎とは、簡単に言うとコーヒーの生豆を炒る加熱作業のことである。
豆の焙煎には、浅煎り、中煎り、深煎りと種類があり、同じ豆でも焙煎方法が違うと味も変わる。
浅煎りは酸味が強く、深煎りは苦みとコクが強く出る。中煎りは、そのまま中間でバランスがいい。
私は深煎りで、コクが強いほうが好みやすいが、酸味も悪くない。その日の気分で、味を変えることが多い。
こんなことも、カフェ通いをするまではまったく知らなかった。

さて、カフェ通いは、豆の知識に詳しくなるだけではない。

そう、カフェとは学校でもあるのだ。
学校とは勉強をする場である。
カフェでの勉強とは、コーヒーの勉強だけではなく、社会勉強ができる場だと私は思う。
なぜならば、お店にいると様々な人間模様があり、出来事が起きる。
お気に入りのお店に足繁く通うと、まず間違いなく店員さんに顔を覚えられ、常連と認定されるようになる。そうなると、店長と店員さんに声をかけられる。
最初は気恥ずかしかったが、慣れると気にならなくなった。
カフェで働いている人は、接客業である分、コミュニケーション力が高い人が多い。
常連になると、店員さんと話す機会も多くなる。接客が上手な店員さんは、会話も上手だ。

ある時、私はカフェでコーヒーをテーブルの上に倒して、こぼしてしまったことがある。
やってしまったと思ったら、ある女性店員さんがすぐに気がついてくれた。
「大丈夫ですか?」
私が大丈夫と答えると、店員さんはササッとテーブルを拭いてくれた。
「すぐに新しいのと取り換えますね」
なにごともなかったように、新しいコーヒーを持ってきてくれた。
こぼしたのはほんの少しで、紙コップのコーヒーの量も、ほとんどこぼれていなかったのに。
取り換えてくれるお店は、他にもあるかもしれない。
しかし、その時の流れが、実にスムーズで心地よかった。
違う言い方をすれば、リズムがよかったと言えばいいだろうか。
上手な接客だなと感動した。それ以来、お店に行くとその店員さんをよく観察するようになった。
もう数年ほど前の出来事だが、今でもよく覚えている。
店員さんは、もう辞めたのか、異動したのか、見なくなってしまったが。

思い起こせば、私がよくカフェの接客なども見るようになったのもそこからだったと思う。
この人の接客は心地いいな、この人は緊張しているな、機械のようにこなしているな、など見ていると色々面白い。
自分も人と接するときは、どう見られているのだろうと置き換えてみると、ますます面白い。

またあるお店では親しくなり、よく個人的な話もするようになった店長もいた。
その店長は、テキパキと周囲を見ては、的確な指示や明るい雰囲気を作ることができる、仕事のできる人だった。

私は店長と話すためによくカウンターに座っていたので、スタッフへの接し方もよく見ていた。モチベーションを下げないように、よく気遣っているのがわかり、参考になった。
スタッフが、ちょっと疲れているときなど、お菓子をあげていたりした。

ここでも、職場のコミュニケーションの仕方が勉強になった。
よいコミュニケーションをとれる人は、気遣い上手な人が多い。
そういう人達は、相手の変化をよく見ていて柔軟力がある。観察力に長けている。
こうして、コミュニケーション、接客の勉強をしながら、コーヒーも楽しんでいた。

またお客さん同士の会話も、面白かったりする。主婦同士の話は、旦那の愚痴だったり、若い女性同士だと、恋愛の話だったりして、聞こえてくる話も面白い。
特に恋愛話だと、女性同士の話は男性にとっては、聞きたくない話もでたりするが、これも女性の本音を聞けて、勉強になったりもする。

そう、私にとってカフェとは社会勉強もできて、贅沢な時間を過ごせる大人の学校のようなものだ。
しかも、科目は自由に決められる。
読書をしたければ読書をし、接客を見たければ店員さんとお話し、人の話題、考え方を知りたければ、人間観察をする。

自由度も高く、なかなかいい学校だと思う。

だから、私はこれからもカフェに通うだろう。
お金を払って社会勉強をしながら、美味しいコーヒーを啜ろう。

≪終わり≫


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