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加湿器の物理:うまく使うと暖かい^^

 石油ストーブを使う人は少なくなりました。あれは排ガスに水蒸気が含まれてなかなか便利なんですけどね。

 経験的に納得する人はそこそこいると思うのですが、湿度が上がると体感温度は上昇します。

 これは夏ならば誰でも納得するでしょう。でも冬でも同じです。どれほど寒くてもヒトの皮膚からは水が蒸発する。その時に熱を奪います。風が強いと寒いですよね。その理由の一つはこれです。(もう一つは熱伝達率が上がるため)

 これと類似のことが呼吸でも起こります。ヒトの呼気は相対湿度がほぼ100%です。つまり肺で大量の水が蒸発している。このときに気化熱を奪います。体の深部から熱を奪うので、かなり効率的な「冷却効果」がある。

 ざっくり試算した所、相対湿度40%ほどの時の冷却効果は10~20Wぐらいです。これはカイロの発熱量の数倍です。逆に言うと、湿度が100%ならば、肺にカイロがいくつも入っているのと同じぐらい暖かい。

 湿度を60%ぐらいにすればカイロ一個分ぐらい暖かいです^^(注1

注1:逆に言うと、加湿器を使わない場合には、室温を上げても暖かくならないこともあります。
 エアコンで温度を上げると相対湿度が下がるのです。昔は、暖房と言えば灯油だったので、何も考えなくても加湿された。だから気にならなかったのです。
 今は湿度計も数百円で買えるので、チェックしながら加湿することをオススメします。
 我が家にはすべての部屋に温度/湿度計があります^^

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その2

加湿器の種類。

 ざっくりと、沸騰式と超音波式、ハイブリッド(湿った布に風を当てる)があります。

 メーカーは沸騰式よりも、超音波またはハイブリッドが電気代が安いと言っているはずです。

 でも、超音波とハイブリッドは、あれは実は冷房装置です。水滴が気化する時に熱を奪います。だから、その分だけエアコンの電気代は増えます。

 沸騰式をオススメしますね。雑菌がわかないので衛生的で良いです。

 あと、超音波式は水滴が蒸発する時に、水道水に含まれる塩化マグネシウム(食塩の兄弟)などが析出します。鏡が曇ったりするのがそれ。電気製品の内部でこれが起こると、あまり楽しくない。

 私はオススメしません。というか捨てました。直接的な理由はCDとDVDの表面が曇って読み取り不能になったからです。拭けば落ちますが面倒くさい^^;

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