見出し画像

労働と報酬の間の時間は短いほど良い。いい例が家事と育児。

 大脳は1ヶ月とか1年単位の時間枠では「報酬」のフィードバックを認識しない。つまり「報酬による幸福感」と「労働」の因果関係を認識しない。達成感がないのです。(注1)

 だから米国流の毎月2回とか毎週1回の給与体系は、労働意欲を高めるのになかなか良いです。

 一方で、最悪なのは日本の月イチの銀行振り込みシステムで、報酬の実感がない。さらに年俸制はもっとひどい。1年分をまとめてなんて、とてもじゃないが脳が処理しきれない。

 日雇いは素晴らしい制度なのです。そして、もっといいのは米国のチップ制。作業終了と同時に報酬を貰える。アメリカ人は天才なのかもしれません。労働者のモチベーションを高める方法を知っている。(注2)(注3)(注4)(注5)

***

 そして短時間で「報酬」を得られる、非常に重要な労働が存在します。

家事と育児です。


 (まともな家庭ならば)調理をして数時間後には家族が喜んでくれる。赤ん坊は、あやせばすぐに反応してくれる。
 これは非常に強力なモチベーションになるはずです。
 多くの女性がこれらの「重労働」に耐えられるのは、これが理由だと思います。

注1:ノア・ハラリは農業の発明をきっかけに人類は不幸になったと言及しています。
 農業は労働の成果がわかるのは1年後だ。それでは遅すぎる。
 狩りや釣りに行って「今日は大漁だ!」というスタイルに、ヒトは適応しているのです。
注2:犬をしつけた経験のある人には常識だと思いますが、賞罰は行為の直後にやらないと意味がありません。何時間も後に叱っても、犬には理解できないからです。
 ヒトもこれと同じです。所詮は動物なのです^^
注3:スポーツでもこれはあります。
 ゴルフ、テニスでは幼児の英才教育はありますが、野球やマラソンではない。これはゴルフは一打ごとに「ナイスショット」の快感を得られるからです。
 幼児は何時間も先の「報酬」と今やっている行為の因果関係を認識する能力がない。だから登頂の達成感を求めて何時間も山を登るのは無理なのです^^;
注4:ある種の接客業では「報酬」はチップよりも短時間で得られます。客が喜ぶのが嬉しいという人は少なくない。
 例えば風俗では「行為」の0.1秒後に客の反応が得られる。これはおそらく、全ての職業の中でも最短の報酬系でしょう。
 だからあの仕事は、多くの人の偏見と予想に反して、優秀な労働者を惹きつけるのです。
注5:ゲーム業界はこの人間特性を熟知しています。撃てば点数が増える。
実に明快で短時間の「報酬系」なのです。また数十分「作業」をすればレベルアップする。
 だからみなさんゲームにハマります。任天堂やコナミは考え抜いています^^;





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?