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なぜ宇宙人は地球にいないのか?:A.文明は短命だから。彼らと我々は違うタイミングで生まれた。
どうやら文明というのは短いらしいです。
まず議論の出発点として最初の文明はいつ生まれたかを考えると、おそらく40億年ほど前でしょう。この宇宙の年齢は140億年です。(注1)
そして、ここで仮説を立ててみます。すなわち「文明は無限に続く」。
すると宇宙に存在する典型的な文明は十億年単位の歴史があるはずです。
注1:文明の誕生は宇宙の誕生から100億年後ぐらいのはずです。生命に必要な重元素(鉄、リンなど)は超新星爆発で作られます。だから宇宙の誕生から最初の赤色巨星が寿命を迎えるまでは、生命の材料が無い。それが50億年ほど。
そしてその材料を使ってできた惑星系が誕生してから、複雑な生命が誕生するまでは、ざっくりと50億年ぐらいです。
そうすると光速の宇宙船に乗った宇宙人は、母星から10億光年先まで到達していて不思議はない。特殊相対論の帰結として、光速の宇宙船内では時間が停止していますから、搭乗者の寿命は関係ないです。船内時間で1年でも10億光年先まで到着します。
だから、地球から10億光年以内に文明が発生していれば、地球に来ていていいはずなのです。
宇宙人が存在しない理由として「宇宙は広すぎる」が言われる事がありますが、そんな事はないです。時間はたっぷりある。
それでも「星はたくさんあるので、たまたま地球に来ることはない」とも言える。でも10億年の間に、一体どれだ数の数の宇宙船が作られ、飛び回るかと考えれば、地球に来ると思いませんか? 地球は生命が存在すると言う点で、非常に興味深い星なのです。
人間はわずか1万年で月に降り立ち、無人探査機は冥王星の軌道の外に出ました。わずか1万年です。
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また、宇宙探索では無くて植民という目で見てもおもしろいです。10億年の歴史を持つ宇宙人は、母星の外に植民地を持つでしょう。10億年有れば、ざっくりと10億光年ぐらい範囲に生存権を広げると思います。
人類の例では、東アフリカから地球全体に人類が広がるのに5万年ほどしか掛からなかったようです。彼らは歩いて広がりました。それでも「母なる村」から2万km先の「地球の裏側」に到達するまでに、わずか5万年しか要しなかったのです。
しかも彼らは特に生活圏を広げようという明確な目的は無かったでしょう。何となく空き地を探していたら広がったのです。
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話を元に戻します。地球を中心に半径数十億光年と言えば、宇宙のかなりの部分を含みます。
だから宇宙人がいるならば、そこに居ていいはずなのです。というか地球は彼らの物だったでしょう。先に植民されていて我々が生まれる余地はなかったでしょうね。
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でも、我々は存在するし、彼らはいない。矛盾が発生します。
つまり仮説が間違っていて文明は短命なのです。だから「彼らの生存期間」と「我々の生存期間」は一致しない。
平たく言うと「たぶん宇宙人はいたけれども、今は居ない」が結論です。
10億年の時間スケールの中で、各々がたかだか1万年しか存在しない「人々」が出会う事はないのです。壮大なすれ違いです。
まあ、この宇宙で年がら年中いたる所で、文明が発生するならば話は別ですが、それを想定するのは難しいでしょう^^;
生命が生まれ得る環境は、この宇宙に極々わずかしかないのです。
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あるいは、こうかもしれない。
「生命の誕生は非常にレアな出来事であり、この宇宙では一回しか起きなかった。それは必然的に我々自身のことだ」
似た議論として、こうかもしれない。
「文明の誕生は非常にレアな出来事であり、この宇宙では一回しか起きなかった。それは必然的に我々自身のことだ」
実は、文明というのは生命進化の上では、それほど有利ではないです。文明の発生は必然ではない。例外はその文明が母星の外に広がる場合だけです。これは文明が発生しなければ無理でしょう。有り得なくはないのですが(注2)。
ただ、生命が母星の外で生きるのは、予想外に難しいようです。人類は50年前には「50年後は宇宙ステーションに住んでいる」と予想していました。でも見ての通り、全然お話になりません^^;
宇宙は過酷なのです。
1万年で地球の外に植民地を作るのは無理でした。たぶん残りの数千年を使っても無理でしょう。
現実に、人類の宇宙開発もガガーリンからアポロ11号まではトントン拍子に進みましたが、その勢いはたった10年しか続かなかった。1969年の月着陸から50年以上が経ちましたが、有人宇宙探査はほとんど停滞しています。
注2:例えば母星が隕石の衝突を受けた場合に、微生物が母星の破片と共に母星外に出る可能性があります。地球の生命の期限はそれだという説もある。
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