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研究者に女性が少ない理由:攻撃性が必要だから。

 研究者というと温厚なイメージがあるかもしれません。

 とんでもないです。研究者はあらゆる職業の中でも、もっともアグレッシブな人々です。とにかくトップでなければ意味がない。

「私は世界で2番目に発見した」なんてジョークにもならない^^;

 そして未知のものに生涯を捧げるので、自信過剰でなければやっていけません。周りが屍累々でも「自分だけは正しい」と信じる人だけが成果を残します。(注1)

 攻撃性と自信過剰。この2つは男性、特に人格に問題がある男性に特徴的なものです^^;
 アインシュタインは人間的には酷い男だったそうです。プリンストン高等研究所の同僚は彼と会うのを忌避して、散歩時間をずらしたというエピソードがあります。

注1:これはよく誤解されますが、研究者に必要なのは論理よりも直感です。「何を研究するか」が決定的な要素だからです。
 例えば数学で有名な定理に「フェルマー予想」があります。これは350年掛けて証明された。でも正しくないという可能性もあったのです。
 これが正しいと信じておびただしい数学者が証明に挑みました。でも、証明されていないのだから正しいかどうかは不明です。それでも正しいと信じ込んだ人が最後に「勝った」のです^^

 もちろん「負けた」人は、その何十倍もいます。永久機関を作ろうとして人生を棒に振った発明家は掃いて捨てるほどいるのです。中世の錬金術も同じです。
 あのニュートンでさえ、後半生を錬金術で無駄にしました。

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補足

 これが理由で、科学と技術に携わる人々の会話は(良い意味で)対立的になります。「真実」を追求するには批判的でなければならない。
 「そうだね。あなたの言う通りだね」という意見は価値が低いのです^^;
 だから、自分の意見とは無関係に、あえて相手に反論するのは日常茶飯事だし、そうでなければならないのです。
 そして、まともに機能している研究チームには、その役目を負う人物が一人はいます。やっている人も自分の役割を心得ている。
 刑事裁判における弁護士と同じで、業務として相手と反対の意見を主張するのです。これがディベートです。
 イエスマンは最も不要な存在です。というか、それはその時点ですでに研究者ではない。

 男性社会、特にメーカーの人間はこれに慣れている。これが「空気を読めない男」「共感性のない男」の正体です^^

 私もその一員で、自他共に認める「何でも反論する男」でした。だから、その役割はよく知っています。
 そして女性からはめっちゃ嫌われるということも、今では学びました(笑)

 でも、その役割の人物は「あいつが認めるなら正しいのだろう」と一目置かれるようにはなります。ただ、くどいですが女性にそれをやると嫌われます。私は小学生の頃から「(無駄に)理屈っぽい」と言われていました。
 相手によってやり方を変えるのが、賢い生き方ですね^^

 女性は対立は苦手でしょう。これが女性に研究者が少ない、もう一つの理由です。

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補足2
 「研究者」と「専門家」はしばしばごっちゃになって、まとめて「学者」と呼ばれる事があります。でもこの2つは違います。
 専門家とは特定の分野に詳しい人のことです。

 一方、研究者は新しいことを発見し論文を書く人です。研究者は普通は専門家ですが、専門家が研究者だとは限りません。
 特に日本の大学教授は研究者と思われがちですが、ほとんどが「専門性の高い教育者」という意味で専門家です。学術的成果がほとんどありませんから。
 それはそれで悪くはない。でもそれはスタンフォード大学やオックスフォード大学とは違う種類の組織です。海外の欧米の「大学」は研究をする場所です。

 また「専門家」は、ほとんどの場合に「学者」とは呼ばれません。例えば一流アスリートや料理人、投資家も専門家です。
 「学者」とは「学術分野の専門家」だと言ってよいかと思います。

 付け加えると日本には、優秀な「学者」は多数いますが、一流の研究者はほとんどいません。日本には一流の研究をする場がないからです。だから彼らは米国の大学に行く場合が多いです。

 





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