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大国と民主主義は相容れない:だから中露は独裁。米は連邦制。

 有権者が1億人もいたら1票が軽すぎるのです。自分が自民党に入れようが入れまいが、政治は変わらないと考えるでしょう。そしてそれは正しい。(注0)

注0:仮に毎日1時間かけてニュースを見聞きし、政治の勉強をして「正しい」判断をしたとしても、その見返りは驚くほど少ない。やる価値はないのです。
 一方、家計のやりくりを毎日1時間掛けて勉強して「正しい」判断をすれば見返りは十分に大きい。
 所属する組織が大きいか小さいかは重大問題なのです。
 
 大企業も同じ問題を抱えている。一人一人の社員は実に無責任だ。会社全体のことを考える人は社長しかいない。あるいは社長も考えない。取締役会にはメンバーが多数いるからだ。

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 経験して痛い目にあった人も多いでしょうが、会議は人数が多いほど結論は無責任になる。誰も真面目に考えない。他人事だからです。(注1)(注2)

注1:たぶん国会議員は数が多すぎる。議員数が多いのは、議員の甘い汁を吸う人数を増やしたいと、議員が考えているからに過ぎません。
注2:多くのケースでは多数決は弊害のほうが大きいです。会議出席者の意見を参考に、責任者が独断で決定すべきであり、そして全責任を負うべきです。
 これは多くの組織が採用しています。典型例が軍です。

 一人で判断できることは一人でやるのが最も良い。だから、軍隊の指揮官は1人、船長も機長も一人です。

 合議制も6人ぐらいが限度でしょう。3人ぐらいが適正だと思います。1時間の会議で、全員が意見を言えないようならば多すぎます。

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 政治も100万人の国なら、一人ひとりが真剣に考えると期待できる。1億人は無理だ。投票率を強引に上げても衆愚政に陥る。それが今の日本。

 アメリカは賢くて自国を連邦国家にした。米国市民にとって「国(STATE)」とは州だ。州は独自の州法を持ち自治権が強い。
 典型的な一つの州の人口は500万人ほどであり、デンマークやフィンランドの人口に相当する。これが政治に関与する意思を維持できる妥当な線なのだと思います。

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 要するに日本は中央集権国家としては大きすぎる。民主主義国家としては世界最大で、抜きん出て大きい。(注3)

 自治体に権限を移譲すべきと思います。

注3:現実的な話を言えば、おそらくはそれが理由で現に民主主義が機能していません。
 法治国家ではないし、マスコミ不在。人権は尊重されない。政治家は世襲。投票率は低い。
 実態は、米国よりも中国に近いです。


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