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セックス:実に奥が深くて興味深い。なぜ2性生殖なのか?

 動物の性は興味深くてバリエーションも多いです。
 セックスしないのに子を生む。メスとメスが交配するなどもあります。

 そもそも子孫を残すだけならセックスは不要で、自分のクローンを産めばいい。 相手がいなくても子供を産めるのでメリットは大きい。これはモテるとかモテないとかいう話じゃなくて、一生単独で生きる動物は多いです。
 砂漠や海では生物密度が低すぎて別の個体に会うことがない。 だからカタツムリなど単独で卵を産む種も多いです。
 
 でも遺伝子に変化がないと環境変化に弱い。だから、環境変化が大きい時代には遺伝子をシャッフルした方がいい。それが2性生殖です。けれどメス同士で遺伝子を交換したっていいんです。そういう動物もいますし、歴史的に最初はそうだったのでしょう。
 でも、そのうちに自分は子供を産まずに遺伝子だけを交換する亜種が登場しました。要するに、産卵機能に障害を持った個体です。それがオスです。

 実はこれはウイルスが採っている生存戦略です。ウイルスは自分の遺伝子を宿主に渡して宿主に遺伝子を増殖させます。 最も原始的なオスですね。

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 なお、ヒト種に関しては遺伝子のシャッフルは既に不要でしょう。個体数が80億に達して生物的多様性は十分です。
 それに環境(社会)変化は速すぎて、もはや遺伝子の変化じゃ対応できない。重要なのは学習であって、遺伝じゃない。 だからオスの遺伝子は不要。 メスのクローンだけで種は継続できます。

 実際に、人類はその方向に進むのかもしれません。「女だけの街」です^^ これはまんざらデタラメではないです。遺伝子はシャッフルすれば良くなるよりも悪くなる確率の方がはるかに高い。変化はランダムだからです。そんな都合の良い変化はしない。
 進化とは出来の悪い子を殺すという意味です。人類はこの考え方を倫理上放棄しました。それが少産少死戦略です。
 少数の子を大事に育てる。実益面でも、ヒトは異常に学習期間が長いのでこの方法じゃないと種を維持できない 。
 だから博打的に他の個体の遺伝子を混ぜるよりは、クローンの方が合理的でリスクが圧倒的に低い。

 混ぜたら何が出て来るかわからんのです^^

 こういう言い方をしてもいいです。 遺伝的欠陥を持って生まれる個体は、無視できないほど存在する。 だったら、欠陥がないと証明済みの成人個体のクローンを作った方が、安全です。

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