健康診断事後措置:就労制限の類型について
産業医業務の重要かつ中核部分を占めるものとして、安全衛生法に定められた定期健康診断の事後措置があります。定期健康診断の結果と社員さんの個別事情や就労環境などの情報を踏まえて、当該社員さんが安全に働いていただけるように適切な就労制限の意見を事業者に対して述べることができるように法律上は設計されています。もちろん、病気の早期発見早期治療のために定期健康診断の結果が活用されることもあるわけですが、それはあくまで副次的です。メインは、事業者が社員さんに労働契約法第5条にもとづく「安全配慮義務」を事業者が適正に履するために、定期健康診断結果が活用されることなのです。その履行補助者として、産業医の存在意味があります。経験の少ない産業医先生には、副次的な早期発見早期治療にばかり目が行ってしまっている先生もいらっしゃるかもしれませんので、気を付けておきたいところです。
さて、そのメインミッションを忠実に履行しようすれば、場合によっては、
社員さんの「働きたい」という気持ちや意欲に反して、なんらかの就労制限を講じないといけない場面もあるでしょう。ですので、ガイドラインのようなものがあると良いかもしれませんが、現時点では特にありません。
ただ、産業医大のほうで、この分野について研究が行われ、その成果がサイトにアップされていますので、ここではそれを紹介します。
同サイトに飛んでいただければ、実にわかりやすく整理されています。その中で、就労制限の類型として、5類型を提示されています。もちろん、事例によっては、複数の類型にまたがることもあります。
具体的な各類型の説明については、同サイトに記載されていますので、ここで重ねての記載は割愛します。その代わりというわけでありませんが、ここではせっかくだから、この類型をいつでも思い出せるようにするべく語呂合わせを作ってみました。どうでしょうか、DANGERってなんか語呂がよくないですか(自我自賛 笑)
いかがでしょうか? とりあえず覚えられませんか? なお、類型3については、業務制限を課すまでもないけど、事後措置保健指導の一環として、産業医や保健師さんから、普通に受診勧奨することは、きわめてあるあるの日常でございます。
ありがとうございました。