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登山で出会ったイケメン山男、「安全に登山を楽しむために、那須岳」

先日の那須岳登山の記事に、たくさんのスキありがとうございます😊
記事を書く励みになります!

那須岳の三斗小屋温泉に泊まって紅葉を見よう、と計画して、
「煙草屋旅館」に予約を取った後の
10月6日に、この那須岳、朝日岳の肩の付近で、4名の方が亡くなると言う、痛ましい遭難事故があった。
全員が強風による低体温症だったそうだ。

ここに、謹んでお悔やみ申し上げます。


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このニュースを知った時、
那須岳登山に行こうか、どうしようか、
実は迷っていた。
那須岳は風が強い山で、過去2回登れていない。
歩けないほどの強風と、風による寒さは経験している。

それでも、やっと取れた予約
万全に寒さ対策をして、無理をしないで楽しんで来よう!と今回の山行きになった。

今回のイケメン山男は、2日目の峠の茶屋跡の避難小屋で出会った救助隊のお兄さんだ。

彼は目立っていた。
雨の降る中半袖で、避難小屋の前に立っていた。遠くからでもよく見えるきれいなブルーのパンツに、赤とブルーの半袖のTシャツ。

避難小屋の中
ランチのラーメンがちょうど出来上がって火を止めたその時、そのお兄さんは避難小屋の中へ入ってきた。

近くで見ると、ウェアはモンチェラ(フランスのアウトドアブランド、お高い」
シューズは、ラ、スポルティバのアルパインブーツ。
半袖の上半身は筋肉隆々だ。

はっ、とした。
救助隊の人!

「どこから来たんですか?」

と聞かれたので、

「煙草屋旅館から、三本槍岳へ登って降りてきたところです。」

と答えた。

「大峠から?」

「いえ、隠居倉からです。」

この後、

「救助の方ですか?」

と聞くと、

「救助もします、ここの管理とか、登山道の整備とか、」

「先日の遭難事故も?」

「あ、自分も救助に来ましたよ。」

その後は、
痛ましい事故だったので、詳しいことは聞けなかった。

「今日も、雷の予報だから見に来ました。」

「雷が鳴ると、ロープウェイ止まっちゃうんですよ。それを言ったのに茶臼岳へ行っちゃった人がいて、」

隣でご夫婦が昼食を食べ終えて、
レインウェアに身を包んでいる。朝日岳に登る予定で来たようだが、モンチェラのお兄さんに、もう少し待つよう止められていた。

もう少し待つと、小降りになるから
もう少し待つといいよって、言っても行っちゃうんだよね。
今日は一日雷ですよ。 
この後一回晴れるけど、肩透かしで
またすぐ同じような天気になるから。
朝日岳は、雨だと滑るから気をつけて。

こう言われて、ご夫婦は下山する事にしたようだ。

私はいずれにしても下山の予定なので、
のんびり天候が落ち着くのを待つ事にした。

その間、
モンチェラのお兄さんは言う。

那須岳は、他に高い山がないから
日本海からの風が那須岳まで来てしまうこと、
北は新潟方面、南は関東平野からの風がぶつかり合うところで、いつも風がある。
そうかと思うと、山頂はきれいに晴れて、下界は雲海の下という日もある。
非常に天気が読みづらい山域である事。

登りやすい山だけど、一度風が吹くと
ここまで(峠の茶屋跡)1時間以上かかる(山と高原地図のタイムは40分)、風で進めない、途端に難しい山に変わる。

そして、
那須岳に登るなら、新潟県の天気を参考にするといいですよ。新潟が雨なら那須岳も雨、とも教えてくれた。

モンチェラのお兄さんは、
小屋を出たり入ったりしながら、雨と雷の様子を見て、登山者に声をかけていた。

このくらいの雨なら大丈夫、
となってから、下山し始める。
登山道の前方には、白いビニールのカッパで歩いている2人組がいる。

(あーあ、このカッパじゃ、寒さは防げないよ、危ないなぁ)

と思いながら、追い越した。

後ろから、リズミカルな足音が聞こえてくる。
先に行ってもらおうと、横に避けたら
モンチェラのお兄さんだった。
上着もモンチェラ、リュックもモンチェラだった。

(全身モンチェラ、かっこいいなぁ)

「もう、下山するんですね」

という私に

「この後また雷だから、今日はずっとこんな天気だから」

そして、私のシューズを見て、

「モンチェラなんですねー」

と言う。

「お兄さんも、全身モンチェラですね。
カッティングがきれいでいいですよね、モンチェラ」
「でも、高くて買えないですよ」

とモンチェラの話から、
モンチェラのマッチョなお兄さんと、ずっと一緒に下山する事になった。

私が履いてる靴よりいい靴がある事、
モンチェラのアウトレットで、買い物している事、
リュックは、モンチェラさんはあまり力を入れてない事、などなど。

そして、
途中止まって、登山道の石をシューズで動かしている。

登山道を人が歩くことで侵食され、
周りより低く抉れた状態になると、雨水がそこを流れる様になり、さらに侵食が進む、これを防ぐ為に雨水が流れて、土砂まで流さない様に、大きな石をわざと登山に並べて、堰をつくっている。

「登山者さんは、歩きにくいと思うけど、しかたない、足を上げて歩いてもらおう」

と、言いながら。

1週間に1回登って、登山道を整備しているそうだ。


あー、こういう方がいて
安全に登山が出来てるんだなぁ、小屋もきれいに居心地よく整えてくれて、本当にありがたいなぁと思った。

安全に登山を楽しむ為には、
1.その山行きにあった装備をそろえる事(速乾性のある下着、レインウェア、防寒着、シューズ)

2.自分の体力、技量にあった山を選ぶ事、しっかりした計画を立てる事。(登山口、下山口の確認、登山届を出す)

3.登山前に、ルートをよく確認すること、グループの場合、リーダー任せにしない。グループ全員に情報を共有する。(危険箇所はないか、エスケープルートは?)

4.そして、天気を良く確かめる事。その地形、山域特有の天候がある事を知ろう。天候が良くない事が予想される場合は、リスケする事も大切だ。山は逃げないから。

5.山の天気は変わりやすい、特に午後になると雲が湧いて、天気が崩れる事が多い、その日の行動は2時、遅くても4時までには終える様にしよう。(山小屋到着も、4時ですね。)


私達が下山していると(13時前)これから登って行く人がいた。
どこまで登るのかな?気をつけてね。と思った。

救助隊でも、山小屋の主人でも、
こんな天気だから、やめた方がいい、と言う事はできても、止める事は出来ない。登山はすべて自己判断だ。

「山は逃げない」

ベストな体調と、ベストなタイミングで山の景色、自然を楽しんでほしい。
もちろん、私も。


マッチョなモンチェラのお兄さんと
下山して来た駐車場のトイレで、それぞれトイレに入った。
トイレから出てきたら、お兄さんはもう見当たらない。

無事に下山出来るように、先導してくれたお礼もちゃんと言わずじまいだ。

マッチョなモンチェラお兄さん!
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下山した駐車場から見上げた朝日岳

そうそう、
下山した時、雨は上がって
朝日岳がきれいに見えて、

「あれ〜、朝日岳登れたんじゃない?」

と思ったけど、お兄さんが言うように
この後また、雷が鳴り出して雨降りが続いた。
現地の人の知識はやはり素晴らしい。
無理せず、早々に下山出来てよかったなぁ。

改めて、ありがとうございました😊

お陰で、楽しい山行きでした!

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