106 えみなとワタシの修羅場
ワタシは龍星に連絡をしようと思ったが何しろ伊織さんが家を出ていかない
ヤキモキしていた
……が
ある日突然1本の電話が伊織さんに
伊織「……はい。何?」
相手が発狂していてこちらにまで声が聞こえてくる
伊織「1人で行ってこいよ。金渡すから。 はぁ?堕ろさない?」
相手はえみなだった
伊織「あーマジでお前!今から待ち合わせ出来るか?」
えみな堕ろす気無いんだ
当たり前だよね
好きな人の子供だもん
伊織さんはちょっとイライラしながら申し訳無さそうに
伊織「ごめん。さくらちゃん、俺ちょっと行って話してくるわ」
ワタシ「分かりました」
伊織さん……
こうなる事は予想済みだろう?
何故分からない?
ワタシは龍星に電話が出来るチャンスが出来たためすかさず電話をする
トゥルル……
龍星「はい さくら?大丈夫か?」
龍星はすぐに電話に出た
ワタシ「龍星……。ワタシ色々考えて不安になってきて。
親に子供が伊織さんだけじゃないって分かったら……
どうしよう。ワタシが悪いんだけど
不安で不安で…
急にごめんなさい……」
龍星「伊織は?今何処?」
ワタシ「えみなも子供が出来たみたいで話をしに行ってる」
龍星「はぁ?!マジかよ。伊織何やってんだよ」
ワタシ「ワタシも伊織さんに罵倒する立場じゃないよ……」
龍星「俺は腹括ってるから。さくらの子供は俺の子供だって信じてる」
……
ワタシはしてきた事を今さら後悔している
手が震える
龍星「さくらは大事にして安心してな?……会いたい」
ワタシ「龍星……ワタシも会いたいよ」
龍星「えみなじゃなかったらどうにか出来るんやけどな。
1番ややこしい相手を孕ませちゃった伊織はこれから大変やで
まあ、絶対すぐには帰れないから。さくら?GPSついてるやろうから
マンションの外で会えない?」
ワタシは承諾した
龍星に会わないと不安が取れない気がした
ワタシが軽く化粧をしていると
電話が鳴った
知らない番号だ
??「おい!お前誰だ!伊織の何なんだよ!」
この声はえみなだ
ワタシは以前にも伊織さんとの事でえみなから電話がかかってきた事もあるのと、伊織さんに携帯変えられて
ワタシ🟰さくら だと分からないのだろう
ワタシは黙る
後ろで伊織さんがえみなにキレている声が聞こえる
ワタシの声だってばれないかな
ばれるよね
何回も話してるし
当時LINEというものは無かった為
ショートメールで話をしましょうと送った
でも電話は鳴り続ける
ワタシはショートメールで
「何の事か分かりません」
と、送った
すると伊織さんからメールが入ってきた
伊織*ごめん。えみなから携帯取られてさくらちゃんってバレてそう*
マジか
ワタシはえみなからの電話に出た
えみな「さくら!お前騙してたんかよ!」
ワタシは黙る
えみな「何とか言えや。クソ女!」
ワタシだとバレると龍星にも被害がいく
ワタシはショートメールで
「誰ですか?サクラという名前は源氏名ですが本名を教える事は知らない貴方に教える事は出来ません。
そして、伊織さんはクラブのお客様であって何も関係ございません」
とてもとても苦しいがパニックになっていた為こういう文章を送った気がする
それから電話は止んだ
何がどうなってワタシだけに連絡してきたのか伊織さんに聞かなければ分からないが
帰ってきてから聞こう
そしてワタシはマンションの外に出た
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?