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91【だいぶ性格がヤバくなる時】

えみなは伊織さんからの着信にすぐ出た
えみな「伊織〜伊織〜!何で連絡取れんかったん?!」

泣き声が微かに聞こえる

伊織「ごめん。えみな色々あって。
…クスリ抜けてきたか?」

その時ワタシは伊織さんの携帯をハンズフリーにした
伊織さんは慌てている

ワタシはこそっと伊織さんに耳打ちした
*何にもやましい事が無かったら大丈夫でしょう?*

伊織さんは黙ってハンズフリーのまま話す
えみな「寂しい…寂しい。会いたいよ伊織!」

伊織「ごめんな?今実家でバタバタしてて。」
えみな「いつ?いつ会える?」
伊織「もう家では会えないよ」
えみな「何で??あんなに激しくしてくれたのに!」

伊織さんは慌てる
ワタシは背後から黙って聞いている

伊織「ごめん……。まだ分からないし、会えるとしても外で会おう?」

えみなは泣きわめきながら
「最後!最後でいいから抱いてほしいの!」

そしてワタシは伊織さんの携帯に向けて

ワタシ「無理だよ?ごめんね笑」
と、言った。

えみなが黙る

伊織さんは顔面蒼白だ

えみな「えっダレ?」
伊織「いっ今実家にいとこが来てて
!」
伊織さんの焦りっぷりが面白かった

ワタシ「え〜伊織ひどぉい!ワタシいとこ扱い?」

と、また爆弾を投下する

えみなは疑心暗鬼になっている
伊織さんがいとこがおちょくってるだけやから!
と、言ってても信じてない様子

ワタシはちょっとだけ気持ちが晴れたのを今でも覚えている

ワタシ「ごめんなさい…お兄ちゃんの彼女??ウソつきましたごめんね」
と、バカみたいな喋り方で謝った

伊織さんはワタシをずっと見ている

伊織「分かったか?えみな?
おーい。大丈夫か?」
えみな「…会ってくれるなら許す」
伊織「分かった。明日でいいか?」

やった…ワタシの思い通りになった

《ワタシは明日一人で外に出れる》

えみなを使ったのは申し訳ないが
伊織さんとちょっと離れたかったのだ

伊織さんはすぐさま携帯を切った
怒られると思った
……が
伊織「さくらちゃん…ヤキモチ妬いてくれてるん?」
と言ってきた
ワタシ「…はい…ごめんなさい…」
と謝ってみる

伊織さんはギュッと抱きしめてきた

ワタシ「伊織さん?ちょうどいいからお仕事行ってきますね?」
伊織さんは何も言わなかった
えみなの会話を聞かれたのが本当にまずかったのだろう
伊織「さくらちゃん…GPSついてるからね?」
ワタシは笑顔で「はい!」と言った
続く

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