８６伊織さんを詰めた日

やっとお家に着いた
疲れた……
色々と。

伊織さんはまだ手を離してくれない

ワタシ「伊織さん？ワタシのどこが信用出来ないか言って下さい」

伊織さんはポツリポツリと話す

伊織「さくらちゃん？俺はさくらちゃんの事最初に運命だと思った。って言ったよね？
……でもそれは俺だけかもしれないと思ってて。
さくらちゃんは俺に対して運命です。って言った事ある？」

ワタシはギクリとした
ワタシ「言ってないかもやけど…
ワタシの伊織さんに対する行動で分からないですか？
ワタシ、親にも紹介したのに」

伊織「H中のさくらちゃんは俺を凄く求めてくれてるのが分かる…
やけど……
クスリの話、えみなとの話気にならないん？」

ワタシ「おかしくなってたんだからしょうがないかなって……
もし、してたとしても。
伊織さんの奥さんはワタシです。
もし、してなくてえみなとやっていたんだったら
えみなをめちゃくちゃにするかもしれません…ごめんなさい……」

伊織さんは多分違う回答がきてびっくりしていた

ワタシ「伊織さん……ワタシ変わってると自分で分かってます。
伊織さんがワタシを好きなのは行動とかで分かります。」
伊織「さくらちゃんのお父さんもそんな感じだった？」

ワタシ「はい。当たり前の世界に居ました。でもお母さんはワタシ達には見せずに凛としてはりました。
ワタシには無理だけど…

お母さんは置いておいて
よくアッチの世界の男の人が偉そうにしていて奥様は着いていくみたいなイメージな世界観あるけど
実際は違います。
だいたいは奥様の方が強いです
「表向き良い妻」を演じてはるだけです
沢山の奥様達を見てきたけど
アッチの世界の旦那様は結構尻にしかれている方が多いです。
お金関係の事でも毎回毎回羽振りが良い訳じゃないし全て奥様が管理しないと旦那様は表向き偉そうに出来ないんです……」

伊織さんは黙って聞いている

ワタシ「すみません…話脱線しちゃって。だから、奥様達も色々とあるんです。
ワタシは物心ついた辺りから
アッチの世界では《奥様と仲良くしよう》と決めているんです。
余計な事になるのは面倒やし、奥様達はワタシと同じでただの 女 です」

ワタシ「えっと……何が言いたいかって言うと。
伊織さんはワタシ「しか」戻る所は無いんだと勝手に決めつけてしまってます…
えみなとカラダの関係があろうが
ワタシが知らなければ別にそれでいいです。
でも、伊織さんはワタシの事愛してくれているのは分かるから……」

ワタシは段々と恥ずかしくなり
*ごめんなさい…*と謝った

伊織さんは言う
「俺！絶対さくらちゃんを幸せにするから！えみなはややこしいんだよ
本当に悪いと思ってる！」

ワタシは今だと思った

ワタシ「伊織さん？ワタシまたお仕事してもいい？」
伊織「えっ？何でそんなに外に出たがるん？」
ワタシ「伊織さんの事ばかり考えていると気が狂いそうです」
伊織さんは黙っている
伊織「…さくらちゃん、俺気持ち悪くない？俺、さくらちゃんの事まだ信用出来ないんだ……」
ワタシ「「俺」と同じ匂いがするって言ってましたもんね」
伊織さんは戸惑う
ワタシ「似た者同士なんですよね？
伊織さん的に。だから、伊織さんはワタシを外に出したくないんですよね？

ワタシが他と浮気するかもしれないから。」

伊織さんは黙ってワタシから手を離した
伊織「さくらちゃん……俺はどうすればいい？」

続く