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90 ワタシが男をおかしくさせるのならば

ワタシはお風呂から上がってから
伊織さんに久しぶりに手料理を振る舞おうと思った

ワタシ「伊織さん?買い物行ってくるね?」
伊織「俺も行く」

……まただ
伊織さんは絶対にスーパーにさえ1人で行かせてくれない

ワタシ「伊織さん。ワタシ今日は内緒のレパートリー考えてるから1人で行きます」
伊織「携帯持っていって?」

ワタシの携帯にはGPSがついている
たかがスーパーに行くだけで……

ワタシは久しぶりに1人で外を出る

色々考える
伊織さんは初め会った時はあんなんじゃなかった…

ワタシ?
ワタシが悪いのか?
ワタシが伊織さんをおかしくさせているのか??

スーパーで色々買ってお家に戻る

伊織さんが誰かと話してる声が聞こえる
ワタシはそーっとお家に入った

*俺嫌われるかもしれないです
どうしたらいいですか*

伊織さんが敬語を使っている
ワタシはちょこちょこ聞こえる
*お父さん*
というワードにびっくりして
慌てて伊織さんの元に行く

ワタシ「伊織さん!誰と話してるの?」
伊織さんは慌てて電話を切った
その代わりワタシの携帯に着信が入る
ワタシ「…はい…。お父さん」
心臓が脈打つ
父「さくら。お前は何をしてる?」
ワタシ「どういう意味?」
父「…そろそろそちらに向かおうと思う」
ワタシ「えっ?」
父「また」

通話が切れた
お父さんはいつもこうだ
ワタシに考える時間を無駄に与えさせて恐怖を植えつける

ワタシ「伊織さん……お父さんに何を言ったの?」
伊織「世間話だよ?後籍入れた話」

……
伊織さんは絶対話さないだろう
大人しくお父さんに何かしら言われるのを待つしかなくなった

伊織さんは寝転がって天井を見上げている

伊織さんは沢山の女の子を魅了させる位の男だ
実際、家に居てもスレンダーな体と
整った顔立ちで寝転がっててもさまになる
そんな人がワタシの旦那様なのだ
今はワタシが独り占めしている状態だ

ワタシの悪の部分が出てきた
ワタシは伊織さんに抱きつく
伊織さんはびっくりしている

伊織「さくらちゃん?」
ワタシ「ねぇ伊織さん?今からえみなに連絡して?」
伊織「えっ。何で」
ワタシ「伊織さんばっかりずるいから」

伊織さんはちょっと考えてえみなに連絡し始めた

ワタシは笑みを浮かべてその光景を黙って見ていた
続く

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