プラスティック・ラブの系譜
シティ・ポップの本格的なルネッサンスは、松原みき「真夜中のドア」と竹内まりや「プラスティック・ラブ」の再評価から始まっている。
名曲ほどみんながカヴァーしたくなっちゃうんですよね。「オリジナルの世界観を壊すな」とお怒りの人もいますが、そういう人は音楽の楽しみ方が狭いんだと思います。もっと寛容に行きましょうよ。そんなことより、世の中にはもっと怒るべきことが沢山あるんじゃない?
さて、この名曲は、山師達郎のカーティス・リスペクトから生まれているのをご存知でしょうか。
カーティスの「Tripping Out」はジョアン・ジルベルトの「バイア生まれ」と同じくらいエンドレスLOOPで再生できる稀有な名曲です。歌詞も含めて、本当にヤバい。
ここにもう一曲のソウルの名曲、マービン・ゲイ「I WANT YOU」を足して2で割っちゃったのが僕らの永ちゃんなのです。世界観はもう「任侠」じみていて、しっかり超遠くの方で独立できている名曲ですね。
ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」がシャブリエ「牧歌(Idyll)」インスパイアだったことは作曲家自身が明言しています。夏目漱石の言うとおり「模倣と独立」はクリエイティブな世界では不可避。ポイントは「独立」できてるかどうかだとは思います。
音もアレンジも現代にリワインドして、水を飲むように。
プラスティック・ラブを知ってか知らずか、カーティスからの直系なのかわからないですが、PREP「Cheapest Flight」も名曲。
はい、まだまだ「プラスティック・ラブ」カヴァーありますね。
終いにゃ、オリジナルラブの田島さんまで。やっぱり変態ですね。
奥さんにあげた曲なんでしょうけど、やっぱ堪えきれませんよね。
山下達郎が、つい自分でも歌っちゃいたくなるのは、寺尾聰さんが「メリー・ゴーラウンド」を堺正章(ドラマ「キッド」テーマ曲)から取り戻した感じと同じですね。
やっぱり、名曲ってそう言うことなんだよね。抗えない魅力。
あ、話がそれちゃったよまた。
「プラスティック・ラブ」、CHAIってどう言う人なのか知りませんが、Rainychの方がタイプです。倍速系は脳ミソゆらゆらしちゃう。ここで「真夜中のドア」が出てくるのです。
結局、松原みきはフォーエヴァーなのです。
竹内まりやを語っても松原みきに帰結する僕をどうか許して。
※ジョアン・ジルベルト「許して欲しい」