【真乃】シャニP担当P視点で振り返るGRAD ~ 櫻木真乃編 ~ 【シャニマス】
はじめに
本記事はシャニマスのプロデュースモードの一つであるGRAD編、その櫻木真乃のシナリオをシャニPを中心に振り返っていきます。
シャニPに興味のある方や、真乃GRAD編について軽く知っておきたい人の参考になればと思います。
ネタバレ全開なのでその点に注意してください。
なお、あらすじについてはGRAD優勝のシナリオを前提としています。
《 あらすじ 》
「……私、ひとりじゃ…… なんにもできてないんだって……」(真乃GRAD共通コミュ2『足元、ぐるりとゆがんで』より)
アイドルのトップを決めるオーディション、『GRAD』に挑戦することが決まった真乃。真乃は自らPR動画を打ち出すなど、GRADに向け積極的に行動する。しかしある日、学校での人間関係への悩みから自分を変えることに囚われ、自分を見失ってしまう。仕事でも、気持ちが前のめりになり、空回りしてしまった。
しかし真乃は、ファンからの応援やプロデューサーからのアドバイスを受け、「変えるべき自分」と「アイドルの自分」とを見つめ直した。その結果、無理をする自分ではなく、「アイドルの自分」を表現することができ、見事GRADを優勝することができた。
そして真乃は、臆病な、アイドルじゃない時の自分と共に、「アイドルの自分」に何ができるのか、「変わること」が必要なのか、それを考え続けることで成長していくことを誓った。
《 感想 》
アイドルになり、日々成長を感じていたはずなのに、日常のふとした瞬間に相変わらず臆病な、悪く言い換えればコミュ障な自分に気付いてしまった真乃。自分が本当に成長できているのか、変われているのか、悩んでいる、というのが私の感じた真乃GRADの印象です。
シャニP的には真乃の自然体な姿がファンに癒しを与えており、それが魅力であると認識しており、臆病でも、コミュ障でも、真乃の元からの性質が失われない真乃の姿が評価されると考えている。
しかし、真乃自身の立場としては、臆病ではない自分、コミュ障じゃない自分、もっと気の利いたことが言える自分、そんな自分に「変わる」必要があると感じていたということでしょう。優勝Endの「アイドルでいられるためには、『変わること』が必要なんだって、そう思い込んでいました……」というセリフがそれを表していると思います。
つまり、自己肯定感のないままに、結果だけが付いてきたことで、ふとした時にギャップを感じてしまった話、であると私は感じました。それだけに、シャニPも、真乃に直接特別な指導をするというよりも、真乃自身に自分の魅力を気付いてもらう・考えてもらうという動きだったかなと思います。ある意味就活の自己PRを考えてもらうみたいなことだったかもしれません。
明確な結論がでないままコミュが終わります。答えの出ない話でもありますし、ここで答えを出してしまうのも無粋かもしれません。ただ、真乃がどういったアイドルになりたいかについては『【ソラを跳ね】櫻木真乃』他、GRAD以降実装された真乃のコミュで補足されるところかなと思います。
そのような意味では、真乃GRAD編はWING編の清算に近いストーリー構成だと感じました。真乃というアイドルを知る上で、彼女がどういったアイドルなのか再定義するためのシナリオといったところでしょうか。
また、真乃の見事なまでのコミュ障描写が個人的には気になりました。以前から真乃には友達が少ないかもしれないと感じさせる描写が少なからずありましたが、このコミュはそれをより具体的に描写しています。
特に絶妙だったのが、真乃に対する悪意ではなく真乃への気遣い、配慮といった善意での結果であったというところですね。それが今回のコミュで、真乃が自分の気持ちを伝えられず周囲と溶け込むことができなかった原因が、外部ではなく真乃自身の問題であることの証左になってしまったと思います。
これにより、コミュ全体がどこか生々しさのある物語になっていたと感じました。シャニマスらしい丁寧なコミュ描写だなぁと思います。
私はコミュ力のある方ではないので、真乃が言いたくても言えなくて苦しいと思う気持ちは痛いほどわかります。私の傍にもシャニPみたいな存在が欲しいと思う今日この頃です。
《 GRAD振り返り 》
P「今日、PR動画の撮影ができれば、 今週中には283のWEBチャンネルで公開できそうでさ」(略)「ああ、関係者に頼んでみたら、 素早く動いてくれてな」(真乃GRAD共通コミュ1『跳ねるように進む』より)
真乃からの提案で、WEB動画の撮影をすることになった二人。撮影したPR動画は283プロの公式チャンネルで公開されるようですが、この公式チャンネルはイベコミュ、『[MAKING] スノー・マジック!』や他の子のコミュでもちょこちょこ登場していますね。
『【RPGのススメ】風野灯織』や『【パーティーのやくそく】福丸小糸』では事務所でライブ配信をしている様子がありますが、おそらくこれらも同チャンネルで行っていたものでしょう。
劇中に登場するSNSである、ツイスタはtwitter&instagram、チェインはLINE、と同様のものと思われるが、こちらはyoutubeやニコニコ動画相当といった感じでしょうか。現時点では名前が出たことはないハズ……ですよね?
また、シャニPが関係者と呼ばれている、おそらく社外の人物に話を通している。すぐにPV撮影をセッティングできるあたり、それなりにコネがあるようですね。劇中内では特に語られていないですが、アイドルたちの新曲のPVなどで、撮影依頼することもシャニPの仕事としてあるでしょうから、そこからの繋がりでしょうか。
P「だから、変に気負わず ありのままの真乃で大丈夫……!」(真乃GRAD共通コミュ1『跳ねるように進む』より)
WING共通コミュ2『ありのままで』での食レポがグルメ番組ディレクターに刺さったようで、その番組にレギュラー出演が決まった真乃。今回のコミュの車内での会話もそのコミュを下地にしている。ここで真乃は選択分岐全ての会話を基にしている様子。もしかしたら、選択分岐はあくまでもゲーム的表現で、シャニマス全体の物語的には分岐しておらず、3つの選択肢全ての会話をしたことが前提で物語が進行しているのかもしれません。
そして、この「ありのままの真乃」がGRADコミュの主題となります。
P「……あのさ、真乃...... 話したくなかったら無理には聞かないけど」(真乃GRAD共通コミュ2『足元、ぐるりとゆがんで』より)
ここからが真乃GRADの問題提起部分。優しげなBGMが突然スッと止まる演出にちょっとビックリしました。真乃が話しやすいよう、レッスン室の予約をし、落ち着けるように飲み物の準備を済ませ、無理に聞かないと前置きしてから訳を聞くのが彼の優しさですね。
ディレクター「あ、いやいや、一生懸命なのは伝わってくるし まぁいいんですけどね、はは~」(真乃GRAD共通コミュ3『それでも……』より)
直接悪いとは言ってはいませんが、もちろん評価は良くないでしょう。このちょっと濁した言い回しが、どこかリアリティを感じるところ。
P「真乃はずっと休みなしだったからな…… できれば今日はゆっくり過ごしてほしいと思うよ」(真乃GRAD共通コミュ3『それでも……』より)
基本的にアイドルの提案には賛成するシャニP。ですが、今回ははっきりと難色を示します。他の無茶しがちな子にも休息に関しては譲らない場面が見られるので、この辺りはシャニPにとっても重要視しているところなんでしょう。……親御さんから大切な我が子を預かっているのであれば、当然最も注意すべき項目の一つとは思いますが。
P「(うん、真乃宛てだしやっぱりいつもの人からだ こうしてまめに手紙をくれるの本当にありがたい……)」(真乃GRAD共通コミュ4『とまる歩みに』より)
冒頭コミュでも登場した桜の便せんのファンレター。私は別に有名人でもないのでわかりませんが、活動をいつも応援してくれる人には安心感を覚えるものなんでしょうね。シャニマスモブキャラ善人ランキング上位に食い込むであろう人物。
P「(予定より早く終わったな...... 戻ってメールを1通送ったら今日の仕事は終わり――)」(真乃GRAD共通コミュ4『とまる歩みに』より)
夕方背景で、あとはメールを送って業務終了であれば、退勤は17~18時前後といったところでしょうか。普段遅くまで働いている描写が多いだけに、こういった普通の時間に業務が終わっているところを見ると安心する。
P「確かに、できることが多い人は すごい人だと思う」「でも、必ずそうならなければいけないわけじゃないんだ」「真乃が、一番真乃らしく進める道を 歩いていってほしいと俺は思ってるよ」(真乃GRAD共通コミュ4『とまる歩みに』より)
シャニPらしい言葉。個人的に好きな選択分岐先。
P「でも俺は、真乃にはもっとキラキラした思いで アイドルの道を歩いていってほしいと願ってる」(真乃GRAD共通コミュ4『とまる歩みに』より)
シャニPの基本スタンスは誰に対してもこれですね。このスタンスが全く通用しなかったのがにちかWINGではないでしょうか。
真乃&P「――むんっ」(真乃GRAD予選前コミュより)
真乃と共に、普段真乃が気合いを入れるときの動作を真似するシャニP。真乃だから許されるだけであって、成人男性がやっていると想像すると……うん……。まぁ彼の愛嬌の一つですね。
真乃「あ、あのっ……前みたいに、 一緒に、『むん』ってしてもらってもいいでしょうか……?」(真乃GRAD決勝前コミュより)
予選前のアレは、真乃には好評だった様子。二人にとって大切なルーティンになったかもしれない。
真乃「す、すみません 前にも同じようなことがあったなって思って」(真乃GRAD優勝End『空はつづく』より)
真乃はWING冒頭コミュでのスカウトから始まり、WING、感謝祭、GRADのエンディングは全て公園での出来事ですね。公園は二人を象徴する場所とも言えるかもしれない。ちなみにLP編のEndは出先の建物と移動中の車内で、公園ではないです。
終わりに
以上となります。他のアイドルたちのGRAD編振り返りも行っていこうと思います。ぜひそちらもチェックしてみてください。読んでいただきありがとうございました。