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Believe

 こんばんは、思うところあってオリジナル、のシリーズです。

 いえいえ、こちらこそよろしくお願いします。

 最近アルバイト三昧が終わり少しずつ落ち着いた日々を過ごせています。色々と手続き的なことが多く結局バタバタしてるのですがそれでも家から出る時間や立ちっぱなしの時間があまりないのが嬉しいです。

 今回のお話はアルバイト中に考えていたのですがその映像を文字起こしするのに少し時間がかかってしまいました。お許しください、神よ。


 僕は人を信じることをやめた。

 仲良くしていたはずの友達は僕のことを都合のいい人間として使っていただけだった。

 僕は人に期待するのをやめた。

 彼女には、あなたにとって私が居る意味があるのかわからない、と言って振られた。

 僕は1人で生きていくことにした。

 僕は人を信じるのをやめた。



「では、あなたは神を信じますか?」

「うわぁ、やばい宗教の人だ!!」

「やばい宗教のひとじゃないですよ」

「言っときますけど神どころか僕は何も信じないですから」

「神に聞こえました?実はね、僕カニって言ってたんですけどね」

「え、なんなんですか」

「僕はやばい宗教の人のふりをしていろんな人に声をかけてる人です」

「やばい宗教の人よりやばい人だ!!!」

「いやいや、ちょっと聞いてくださいよ」

「えぇ、なんなんです?」

「あなたは、誰も信じないんですね」

「そうです、僕は人を信じることをやめたので」

「では、何を信じますか」

「なに、といいますと」

「カニとか」
 
「カニ一旦忘れてください」

「あの、では、この赤くてはさみのあるやつは、なんなんですか…ズワイ…うっ、この響き、頭が!頭が割れるように痛い…!」

「本当に忘れなくていいですから」

「失礼しました。それよりあなたの服、すごく素敵ですね、こういう服好きなんですか」

「あぁ、こういうのが好きで着てます、ちょっと派手なんですけどね」

「私はここであなたの服を褒めました。それは本当にとても似合っているなあと思ったからです。オシャンティン・タランティーノですね」

「ありがとうございます」

「逆だったらどうですか」

「というと」

「何だこの服、目にうるせぇ!目に!何だこの柄、よく見たら可愛い動物ちゃんじゃねぇか、いい大人がよく着れるなこんな服!つけあがりやがって、こういうのはイケメンが着て初めて似合うんだよ、お前みたいなドブ顔には似合ってねえんだよこのカスが!!」

「どういうつもりでしょうか」

「こういう感じで言われたらどう思います」

「殴っていいですか」

「やめてください、本音じゃないので」

「だとしたら言い過ぎです」

「すみません、じゃあもし、僕があんな感じで言ってたらこの服、もう着なくなったりします?」

「ちょっと着づらいですけど、でも好きで着てるからあなたみたいなよくわからない人に言われたくらいでは着なくなったりはしないと思います」

「私みたいなよくわからない人でなくても、やめないでください」

「え?」

「人を無理に信じなくていい。自分のことを信じるのも意外と難しいものです。それでもあなたの好きなものを信じてください。

 あなたは、あなた教の信者であり、教祖なんです。あなたを一番信じてるのは、あなた自身なんですよ。だってあなたのことが一番わかるのはあなたなのだから」

「…なんだか、お礼を言うのも癪なのですが、ありがとうございます」

「えぇ、ところで先ほども言いましたが、自分を信じるというのは意外と難しいものです。自分自身を知ってるからこそ、信じられなくなることもありますよね」

「そうですね」

「そういうときたまには人に頼ったりしてもいいと思いますよ」

「まあ、できる限りがんばります」

「でもって、我々は神は自分自身の心にあると考えています、心の教えと書いて心教、心教と書いて“わたしきょう”と読みます」

「ん?」

「みんな自分自身が神なのです、そしてみんなの心にいる神を作ったのが私なんですね」

「…やっぱりやばい宗教の人じゃないか!!」

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