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eスポーツチームが崩壊する理由と、桜野はるが思う解決策

eスポーツチームを運営している人はどれくらいいるでしょうか。

プロと呼ばれる人はそれほど多くないと思いますが、アマチュアのチームであればTwitterで検索をかけたらいくつも出てくると思います。

私もこういう仕事しているとめちゃくちゃ会います。

eスポーツ事業を始めたのは去年の6月から。
eスポーツ事業を始めるために情報収集を始めたのが去年の3月。

去年の3月から情報収集をしていて、知り合ったeスポーツチームはネット上で集まっただけのチームを合わせると51チーム。

そして、2020年2月までに解散したと確認できたチームの数は32チーム。

そして、どうして解散することになったのかを聞いていたところ、共通する理由が多く、その理由が会社の倒産とよく似ていたので、私が思う解決策と一緒にご紹介します。


お金がない

プロを目指しているチームはこの理由が多い。

「プロのeスポーツチームを運営するなら知っておいた方が良いこと」にも書いたように、プロeスポーツチームを目指しているチームは、競技チームを目指しているということでしょう。

競技チームを目指しているということは、オフライン大会があれば出たいということになると思います。

eスポーツの魅力の一つに離れ離れになっていてもできるスポーツということがあります。

私の知っているチームは、北は北海道南は福岡まで、日本のそこら中に在住している人がいます。
東京の国際展示場で大会が開かれたとしましょう。

3人構成のチームメンバーの交通費は、下記の通り仮定します。

※飛行機は使わないものとする※
・北海道、札幌駅→国際展示場 往復:55,140円
・福岡県、天神駅→国際展示場 往復:47,880円
・大阪府、梅田駅→国際展示場 往復:30,400円
合計:133,420円
参照:GoogleMap

これにホテル代と現地交通費を合わせると更にお金がかかります。

そう考えると約15万円かかるでしょう。

そして、優勝賞金が30万円としたら、15万円の儲け。
優勝しなければ0円です。

交通費や宿泊費の15万円が捻出できず、選手たちの士気が下がり、お金のあるチームへ流れていく。
そして人が居なくなって解散。


若しくは、お金がなくて大会に出れず、お金の稼ぎ方も分からない。
だからプロとしての自信を代表が失ってしまい解散。

お金がなくて解散する理由としてはこの2つが多かったように思えます。

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解決策
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○まずはお金についてよく知ること

お金そのものの概念については「プロのeスポーツチームを運営するなら知っておいた方がいいこと」でご説明しました。

そのお金という概念の数値を、どうやってどれだけ増やすかを理解することが重要になります。

お金持ちになればeスポーツを運用するのにも心配いりませんよね。

有名な著書で「金持ち父さん貧乏父さん」という本があります。

上のリンクは改訂版ですが、7年前にこの本を読んだ時は衝撃でした。

お金を稼ぐ仕組みについて理解する必要があります。

従業員や専門家として、自分が動いてお金を稼ぐ方法は好みません。
eスポーツチームを運営していて、それを生業にするのであれば、まだわかります。
後述しますが、運営人が運営に関われていないのが理由で解散するチームがいます。

潤沢な資金を得て、eスポーツチーム運営に注力できる状況。
これになるには、金持ち父さん貧乏父さんの言葉を借りると、2つのみ。
「経営者」か「投資家」になることです。

資産と負債についてなど、ファイナンスリテラシーを学ぶことにより、お金は勿論、金融についても詳しくなりましょう。

eスポーツで強くなるには、eスポーツのことを勉強しますよね?
PUBGやAPEXで強くなるために、強い人の動画を見たり、自分なりにやり方を開発したりします。

任天堂がリリースしているスプラトゥーンをしている時、ネットの友達が私にこう言いました。
「はるさん! 右高チャー1枚いるから見てて!」

初心者の私はこう言いました。
「は?」

意味分かんないんですよね。
スプラトゥーンが上手くなりたい私はその用語を勉強したり、上手な人達の通話対戦動画を見て勉強しました。
自分なりのコントローラー捌きを練習したりもしました。

そうして、右の高台にチャージャーが一人いる。というだと言うこともわかったし、連携のやり方も分かりました。

何が言いたいかと言うと「それを扱うなら、それについて自分と一体化するくらいにまで勉強し、よく知れ。」ということなんです。

詳しく話をすると記事が長くなるので割愛します。

お金についてよく知ることで、お金の稼ぎ方も知ることができます。
お金が足りないのであれば、お金を稼ぐ方法を勉強しなさい。

数字的な状況を把握できていない

これもプロチームやプロチームになろうとしている人たちに当てはまることなんですが、自分達のあらゆることを数値化できていないチームが多い。

既往のしわよせが起こっているんです。
つまり、長期的に業績が悪化しているのにも関わらず、それを把握していないために倒産してしまう。

キャッシュフローの動態を把握できていない会社は潰れます。
過去に積み重ねられた負の遺産を放置し、それが会社を蝕んでいるなんてことはよくある話。

そして、eスポーツチームの場合も同じようなことが言えます。

eスポーツチームにおいては、資金面がなくて、お金について考える以前の問題であることを前提にお話させてもらうと、チームの状況について把握していない代表が多すぎる。

この選手はどれだけの成績があって、成績不振なのはどうしてなのか。
これを独自の数値化をして対策を講じないと、選手たちの士気が下がる。
そして、チームにいると迷惑がかかると言って抜ける。

違うんですよ。

勿論、選手がやる気を出さないで放漫しているのであれば、あなたの責任でチームに迷惑がかかります。
しかし、やる気もあって、治そうとして勉強しているけど強くならない。(=努力の方向性を間違えている)そういう選手を全力でバックアップしないのであれば、それはチームが悪い。
むしろ選手に迷惑を駆けているのはチームなんです。

強いチームはなんで強いか。
考えていないチームが多すぎる。

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改善策
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これは一言で終わります。

「あらゆる面で分析し、数値化しましょう。」

分析の方法がわからなければ、アナリストを入団させたり、分析方法について勉強したり、アナリストに対して頭を下げて教わりましょう。

そういうことを言うと「私代表ですよ? 威厳が失われるじゃないですか。」と、要約するとこういうことを言う人がいます。

そんなのは威厳じゃなくて「くだらないゴミ同然のプライド」って言うんですよ。

現在のドイツ北部からポーランド西部を領土としていたプロイセン王国。
その王であるフリードリヒ2世の言葉で「君主は国家第一の下僕」という言葉があります。

代表であり、プロを目指すのであれば、あなたのeスポーツチームに身を捧げる覚悟で、くだらないプライドは捨て、石にかじりついてもメンバーの為、チームの為に動くのが当たり前なんです。

そうしないところは尽く崩壊します。

所謂プロ根性ですね。

放漫経営

会社でこれを行っている代表取締役社長や会長のことを私は「癌」と呼んでいます。

私の舌を包んでいるオブラートは非常に薄く、日常会話の中で直球的な言葉が多く、よく怖がられてしまうのが私の短所なんです。
解散したチームの元代表が放漫運営を行っていたと知った時「あぁ。君癌だったの。」って言ってしまいました。
「え? いや、健康ですけど。」って返されて笑ってしまいましたけどね。

少し脱線しましたけど、放漫経営はよく見ます。

企業でいうと、経営者の経営能力の欠如や会社の私物化、あるいはずさんな管理体制などが主な原因です。

前述の数値化を怠っているのも、この放漫経営から来ている面があります。

つまり、代表が経営に関わっていないんですね。
厳密に言うと、経営に関わっているつもりなんです。

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改善策
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これも非常にかんたんなこと。

代表とその周りの人間(=相談役や幹部)がプロとして、経営意識を高めることが一番重要です。

敢えて放漫「経営」と申し上げております。
本来、アマチュアであれば経営ではなく運営と言う方が正しいでしょう。

しかし、プロとして、事業を起こすのであればそれは個人事業主であっても経営です。
プロを目指すのであれば、経営に慣れておかなければなりません。

チームを経営するにあたって、代表は勿論、その周りの人間を巻き込んで参加させる必要があります。

それは、代表の人柄や人望が大きく左右していくでしょう。

全ては代表、あなたにかかっています。
しっかりしてください。
開口一番に団員の総意に任せますとか情けないこと言わないでください。
それはただの逃げですよ。

そんな逃げ腰な代表に誰もついていきませんよ。

代表が一人、もしくは幹部で経営意識を高め、成長していくチームを作り上げていきましょう。

メンバーの制御ができていない

これには様々な理由があります。

・代表が頼りないから幹部が暴走
・メンバーの年齢が若い
・代表と幹部のマネジメント不足
・チーム内ルールの不足
・コンプライアンスの意識低下若しくは欠如

全て書くとお日様が上りそうなのでこの辺にしますが、主に考えられることをここに書きました。

コンプライアンスを制定していないから、守るべきものを理解していない。
それによって炎上したり、多方面に迷惑をかけることがあります。

それは、メンバーを制御するためのマネジメント能力の問題に起因します。

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改善策
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マネジメント方針を固め、組織化する部分とチーム化する部分を区分けし、それによってチームの統制をとります。

これはやっていいこと、それはやってはだめなこと。

これを明文化し、チームメンバー全員に教育します。

これによって、チームメンバーはルールの中で活動し、制御しやすくなります。

ルールを破る人を出さないためのマニュアルも用意し、円滑にチームの経営を行うことで、チーム内での暴走を止めることもできます。

チーム内でルールを破り、除隊させてしまって周りのバッシングを浴びた場合は、素直に謝りましょう。

信用の低下

ビジネスに於いて信用はとても大事なことです。

この信用がないとお金を稼ぐこともできません。

炎上をしたことによって、人間性を疑われ、周りの人に見放されてしまい、そこから入るはずの資金が入ってこなくなる。

これによって倒産する企業は沢山います。

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改善策
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自分達の利益だけを追求するのではなく、周知との関わり方まで気を配った上で、信用性を高く維持する経営を目指すことが重要です。

例えば、炎上問題一つにしても代表が逃げ回ってしまってはいけません。

代表や団体が対処していないとなると、それだけで信用の低下につながり、チームが信用されないとなるとスポンサーが付きませんし、ファンもチームから離れていきます。

そうなると、賞金で稼いでいく道しか残されておらず、メンバーの体力が尽きてしまえばそれまでです。

信用を失うようなことがないように、十分に注意して活動しましょう。

チームメンバーのことをよく知らない

これは、放漫運営に類似する内容ですが、メンバーのことをよく知らない代表が多く、意思疎通が取れずに崩壊してしまっている場面もあります。

メンバーとは志をともにする仲間です。
老若男女関係ありません。

代表や人事を担当する幹部がその人を受けれたのであれば、責任を持って向き合う必要があります。

それを怠っていると、ちゃんと見てくれていないと思われてそのまま去っていき、人手不足で解散という話になります。

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改善策
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定期的な面談を幹部若しくは代表が1on1で行うことで、メンバーとの信頼性が高まります。

また、今まで見えてこなかった問題が浮き彫りになり、早期発見と対処ができるという利点もあります。

そのなかで評価をしてあげたり、本人の意見や不安に思っていることを読み取る事によって、チームの進むべき方向性をしっかりと見極めることができます。

そういう地道な情報収集活動を経て、チームは成長していきます。

まとめ

以上に挙げたような解散理由は、普段より適切な経営(運営)状態を把握し、なにか問題が起こったときに迅速に行動できるような体制をしておけば回避できることです。

解散につながるような要因に目を背けることなく、逃げではなくてしっかりと見つめて対処する。
そういう健全な活動の上に信用が成り立ちます。

思った以上に、代表の行動をチーム内外の人間は見ています。

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