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コロナ禍でeスポーツが貢献できたものを振り返ってみた

新年あけましておめでとうございます。

2021年に入りまして、これからもどんどんeスポーツが発展していきそうな展開があって非常に素晴らしい状況を目の当たりにできているのが非常に嬉しい限りでございます。

さて、先日小池都知事が緊急記者会見を開きまして、緊急事態宣言を再度発令するように政府へ要請したことを受けてふと思いました。

「今までコロナ禍の日本へeスポーツが貢献したものはなにか?」

ということ。

コロナがeスポーツに対して与えた影響についてはキーボード叩いてGoogle先生に聞けばたくさん出てくるので、今回は逆にコロナ禍の日本に対して、eスポーツが貢献したことをお話していきたいと思います。

そもそも、コロナがゲーム業界にもたらしものはなにか?

まず、eスポーツに対するコロナの影響をここで解説していきます。

✦巣ごもり消費

インターネット記事やテレビなどでこの言葉を聞いたことがあるでしょう。
他の言葉としては「巣ごもり需要」なんていい方もしています。

この巣ごもり消費という言葉の意味は、コロナ禍で外に出ることがなくなり、家の中で巣ごもりをして、自宅で消費する行動のことです。

任天堂株式会社は2020年3月期の連結決算にて、売上高は前年同期9%増である1兆3,085億円、営業利益は同41.1%増の3,523億円、当期純利益は同33.3%の2586億円と好調に推移していることを発表しました。

この好調要因は巣ごもり消費があると考えられます。
新型コロナウイルスにおける活動自粛によって、自宅以外のところでは何もできな状況で、娯楽を求める人がオンラインでゲームを購入し、家庭用ゲーム機の「Nintendo Switch」が売れたというメカニズムです。

本体もそうですが、ゲームタイトルにも大きな影響を与えたでしょう。
新型コロナウイルスの感染拡大が広がりつつある3月20日に発売された「あるまれ どうぶつの森」は発売開始6週間で1,341万本に達する大ヒット作品となりました。
インターネットで他人と繋がれるコンテンツということも大ヒットになった要因の一つでしょう。
現実世界では外出できなくても、バーチャル空間で友人とつながることができるコミュニケーションツールとして、ゲームが受け入れられているということがここで証明されています。

ゲーム産業はこの新型コロナウイルスの影響で追い風になっていることには間違いありません。

✦コロナによるeスポーツへの影響

JTB総合研究所から作成された「eスポーツ市場調査2019年度」から以下のような画像があります。

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無観客、オンライン、中止、延期といった言葉が多く記載されています。

通常開催をした大会がこの表からは一切見受けられないんですよね。

多くの大きなeスポーツイベントは、Jリーグと同じような効果を数々の開催誘致地域にもたらせました。
様々な宿泊施設が建設され、eスポーツイベントの誘致により、観光を軸として大きな方向転換に成功した地域も世界各国であります。

が、新型コロナウイルスによって開催を予定していたイベントは、結果として上記の表のような状況になりました。
中には開催前日に無観客での開催を決定した大会があるほどです。
2月に行われた大会が無観客で開催すると、それに倣って様々な大会が無観客やオンライン、中止を決定するなどしています。

オンラインとの相性がいいように見えるeスポーツではありますが、一人で遊ぶゲームとは違い、誰かと競い合うことが必要になりますから、大会中止によって受けた影響は大きなダメージとして残ります。

eスポーツだからコロナ禍で結構追い風になったんじゃない?

というお言葉をいただくことが多いですが、実はその逆。
eスポーツにとって、観客を集めることができない状況がある今、大きな打撃となっています。

eスポーツ独特のビジネスモデル事情にも理由がある

eスポーツイベントが誕生したルーツは二つあります。

1つはゲームメーカーがゲームの販促を目的としたイベントを開催した場合。
このようなイベントの場合は、ゲームメーカーはゲームタイトルの認知度向上を目的としており、販売本数が拡大することで収益を得ることができるので、イベント自体はプロモーションの一つであり、イベントで売上達成を目的としていません。

2つはファンがファン同士の交流を目的とした場合で、所謂コミュニティ大会などがここに属されます。このようなイベントの場合は、ファンによる自主開催ですので、多くのファンがボランティアとして関わることで運営しています。ここでもイベント自体で売上達成することを目的としておりませんが、そもそもコミュニケーションをとれることが重要している大会です。

さて、これら二つのイベント体系がeスポーツイベントの開催ルーツになるわけですが、どちらの場合においても、音楽や演劇、スポーツ等のイベントとは異なり、参加者から入場料や動画視聴料を徴収しないで成長したという背景があります。

こうした背景があるため、現在においてもeスポーツイベント単体での黒字化ができていないものが存在しています。
その結果、運営資金に困っている運営団体は非常に多くあります。

日本においては、風営法などの問題で入場料を取ることができないなどの理由もあり、これらの問題を解決する方法としては「協賛」です。

オンラインでもオフラインでも協賛企業の出資があって成り立っており、協賛がない場合はボランティアでのeスポーツ大会を主催することになってしまいます。

企業活動で行っている場合は、ボランティアで大会を開催することはできませんから、オンラインで協賛するプランを見つけられなければ、オフライン開催ができないコロナ禍だと「中止」するという選択をせざるを得ません。

これによって、コロナによるeスポーツへの影響は「悪い方向で」受けております。

ただ、コロナはeスポーツにとってチャンスである

新型コロナウイルスによって、オンラインイベントをせざるを得なくなった様々なeスポーツ大会。
これによって大きな打撃を受けたeスポーツですが、これからコロナはeスポーツ発展においては大きなチャンスになると思われます。

様々なイベントがオンラインでの開催をするようになっている現在、その余興としてeスポーツを採用するということが増えてきています。

私が経営している株式会社chouetteは昨年の忘年会で様々な企画に携わらせていただきました。
合計で5社行ったわけですが、我々が関わった理由は勿論eスポーツです。

オンライン忘年会の途中で余興としてeスポーツ大会やeスポーツイベントを行ったところ、大きな反響を得ることができました。
勿論、今回弊社が関わった人全てに良い反響が合ったとは言えませんが、アンケートの結果では90%の人がコロナ禍でもゲームで楽しめることができるとは思っていなかったというコメントが多く見られ、eスポーツというコンテンツ自体の良さを認知していただけました。

コロナによってeスポーツ大会は大きな打撃を受けたことが確かです。
が、コロナによって大きく飛躍できるチャンスもあります。

eスポーツがコロナ禍で社会に与えた影響はなにか

さて、本題に入りましょう。

社会に対して、eスポーツがいい影響を与えることができたのかどうかを紐解いてみます。

先に申し伝えると「eスポーツがいい影響を与えることはできたであろう」が私の考える答えです。

eスポーツの最大の特徴は「オンラインでもできる」こと。

一つのコンテンツをずっと追いかけていられるということって少し安心したりしますよね。

例えば、野球などは感染拡大の可能性があるということで無観客で開催するまでは中止という対策が取られておりました。
甲子園も中止になったりと、観戦する立場の人たちがコンテンツ難民になっていた時期がありました。

が、オフライン大会の開催というのは無いものの、eスポーツ大会をオンラインにて実施できているという点において、eスポーツコンテンツを享受できている人はたくさんいます。

eスポーツコンテンツを作ってきた我々もそのひとつですし、eスポーツのオンラインでもできるという特性があったからこそ、我々もコロナ禍で未だに倒産せずに生きていられます。

また、オンラインでeスポーツ大会を見ても、スタジオ撮影の放送で盛り上がったり興奮したりするのか?  という疑問が私の中では少しありましたが、会場を映していなくてもそれなりに盛り上がりました。

eスポーツというコンテンツを享受することが、コロナ前と大きく変わらず可能であるということは、コロナ前と変わらない、むしろ我々が行った忘年会での余興などを考えると、コロナ前より格段に貢献できています。


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